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読書感想画 - これからの「正義」の話をしよう

どうも本を読んでも全く記憶に残りません。なにやらインプットしたらアウトプットが大事だという記事を見かけました。雑多な個人的メモや読書感想画をアウトプットする先としてnoteを利用させていただきます。

今回読んだ本は
読書感想画 - これからの「正義」の話をしよう(著:マイケル・サンデル )
です。

まず「正義」という広い概念の言葉について、3つの観点からアプローチ可能であると筆者は言います。

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そして、その3つをより具体的にサポートする理論や事例を全300ページ超に詰め込んでくれています。

 

 

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正義へのアプローチ:幸福の最大化

・拷問は正当化されるか
 あなたは地方警察の県警トップだ。核爆弾が県庁所在地のあるビルにしかけられた。一人の爆弾テロ容疑者が捕まった。手元の情報から、あなたはこの容疑者が有力情報を持っていると確信がある。時間は過ぎていく中で、男はテロリストであることを認めない。男に拷問を加えて爆弾の仕掛けた場所と外し方を吐かせるのは正しいことだろうか。

・多くの功利主義者によれば、それは認められる。数十万~数百万人の市民の命を守ることによる幸福の方が一人に苦痛を与える苦痛よりも大きいからだ。


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・功利主義に対する反論は多くあるが、そのいくつかが下記。
 ・「個人」や「人権」を無視しがちであること
 ・そもそも功利主義的計算式において「快楽」と「苦痛」を精確に数値化することは不可能であるように見えること 


正義へのアプローチ:自由の尊重

・自由至上主義者は実際にここまで主張する
 ・ヘルメット無しでバイクに乗って事故するのは自分の体でリスクを取っているのだから許されるべきであり、法律がヘルメットを強制すべきではない。
 ・腎臓を売ってもいいじゃないか。私の自由だ。
 ・富の再配分を目的とした税制は間違っている。私の所有物を強制的に取り上げるべきではない。
 ・自殺幇助は罪ではない。命を捨てるのも自由である。その死に手を貸してくれる誰かと合意すれば、国家に干渉する権利はない。


正義へのアプローチ:美徳の涵養

・こんなシチュエーションを考えてみる。自然災害があったとき、次の日からガソリンスタンドのガソリン代が急騰した。あるいは、屋根から木をどける作業について通常5万円が50万円に値上げされた。これに対して「強欲・美しくない・悪徳」という怒りの感情があがってくる。この感情こそが「美徳」から正義にアプローチするときの根底にあるものである。

・このアプローチは他に比べると、とまどう人が多いかもしれない。なぜなら、美徳をめぐる議論は「幸福」や「自由」の議論に比べると独善的に見えるからだ。

雑感

・「トロッコ問題」「拷問の許容」「自殺ほう助」などの極端な例に関わらないで暮らしている普段の生活では、 理系好みな考え方もあり、自分がかなり功利主義的な思考だと思います。一方で、3つ目の正義へアプローチ「美徳」が、個人的には結構好きです。漫画大好きなので、この「正義っていうからには美しくないとアカン」っていうこの感じがいいです。(間違って解釈してるかもしれませんが笑)

一方で、中学校で学んだ「公共の福祉に反しない限りの自由」という言葉をここで思い出し、やっぱり人間勝手にやってたらカオスになるので、国による保証と制限は大事なぁだと改めて今更ながら思いました。2021年8月29日現在のアフガニスタンを見ていても、まずは「自由」と「幸福の最大化」を目指して国は作るべきだなと。人々が強い信仰心を持つことや宗教自体は全く否定すべきものではありませんが、宗教を最も大事なベースとして法律や国を作ると「合わない人」が必ず出るので。。。そして、その「合わない人」に対しての対策が「暴力」というのは「美しくない」ですね。


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