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読書感想画 - スマホ脳 -

どうも本を読んでも全く記憶に残りません。なにやらインプットしたらアウトプットが大事だという記事を見かけました。雑多な個人的メモや読書感想画をアウトプットする先としてnoteを利用させていただきます。

今回読んだ本は
スマホ脳(著:アンデシュ・ハンセン )
です。

"スマホ脳"というタイトルがいかにも狙っているようで、避けていたのですが、子供たちのスマホも気になってきたので食わず嫌いは良くないなと先日ようやく読みました。

内容は・・・とてもロジカルかつフェアな目線で書かれており、納得させられる部分が多かったです。

まず著者は、いきなり「進化」と「脳」の話で最初の20~50ページ以上を消費します。ほとんどスマホの文字が出てきません。

”その昔、アラスカについたクマは茶色の毛皮が雪景色に溶け込まず、唯一の獲物のアザラシにすぐに見つかったしまうため、飢餓の脅威にさらされた。ところが、ある日偶発的な突然変異から白いクマが生まれた。白い毛皮は雪に溶け込み、他のクマよりもアザラシに近づくことが得意だった。食料を得やすいと生き延びる可能性が高くなり、やがて子孫を残す。その子もまた白い毛皮を持つ。やがて茶色のクマは生存競争に負け、1万年~10万年かけてアラスカのクマはみな白い毛皮のクマになった。”

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人は、後からこの過程を振り返ったときにこれを進化と呼びます。

さて私たち人間はどうでしょうか。著者の言葉をまとめます。

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ここでのポイントは、先のクマの例に見たように「進化」とは長い時間をかけた「環境に対しての自らの最適化過程」であり、その観点から人を見ると、「人の脳は狩猟と採集の社会に最適化するように出来ている」ということです。現代人の脳でさえです。

さて、こんな「狩猟生活に最適化された人の脳がSNSをはじめとしたインターネットワールドに常時接続されている」というのはかなり異常なことだという気が、、、だんだん私もしてきました・・・

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著者は研究者でもある精神科医ですので、主観的な意見で拙速に結論を出しません。

”十分なデータの検証・実験・学会と通常は科学研究には4-5年かかる。デジタルの発展が早すぎて、研究が追いつかない。”

と、常に客観的なデータに基づいて意見表明しようとする科学に誠実な文章が本文には見られます。

一方で、実際に挙がっている世界中の研究結果の一部を掲載してくれています。

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・・・どうにも、世界中で沢山の人がスマホに多くの時間を使っているようです。。

ここで疑問になるのが
 「どうしてスマホはこんなにも魅力的なのか?」
という問いです。

この質問に対しても著者は明快に回答してくれます。

「人の脳はそういうふうにできている」

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確かに、修学旅行の準備が一番楽しい、というのはよく聞く話ですし、宝くじを仲間グループで買うときに当たりもしないのに「当たっときの話で盛り上がる」のもよくある話です。私個人的にも納得感があります。

ここまでの流れだと、

・スマホ社会に人の脳は適応されていない
・世界中の観察結果からするとスマホの多用は不健康に繋がりそうだ
・でもスマホが魅力的に見えるのは「人の脳がそういうふうにできている」からだ

と、、、「ほな、どないせいちゅうねん!」というツッコミが聞こえてきそうです。

著者は最終ページに具体的なアドバイスをいくつか載せてくれています。

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要は

「運動せい!!」

と。


いいですね。ここまで自分にとって新しい発見であったり、知識を教えてくれたこちらの書籍ですが、ここにきて「運動が大事やで」と。この新しくないアドバイスが逆に納得感を高めてくれました。


また、LinkedIn/Facebookで投稿後の「イイね」を気にしてしまう私は

「あー、人の評価ばかり気にして、私はなんて小さな人間なんだ・・・」

と自分を責めず、

「これは進化のせい」「人はそういう風にできている」「人の脳は気にしちゃうものなの」

と、そういう「諦め」というか、「前向きな言い訳」を自分に言えるのは、本書から教えてもらった良い発見であったと、そう思っています(笑)



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