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モード生姜焼き理論

今宵の担当:noriです。

ワタシのサキソフォンの師、音川英二さんの話を前回したので、そして理論の話が続いているので、音川さんより教授されたモード生姜焼き理論の話をします。

音川さんにサキソフォンを師事していたある時、

「今日は生姜焼きモード理論をやるよ」

と言われ、

「はい、分かりました。」

って普通に真顔で答えちゃったんですよね・・・(^^;

あそこは笑う処だったのでは?

と今でもちょっと気にしています、音川さんは忘れているかと思いますが。

名前だけ聞くとフザけていいる感じを受ける方もいらっしゃるかもですが、それがどうして、これがなかなかに核心をついてる話だと思ったのです。

モードジャズにおけるアドリブのやり方って案外体系化されてないんですよね。

本来モードより難易度の高いはずのバップを流暢に吹ける人なのに「ワタシはモードは苦手で・・・」みたいな方が結構いらっしゃいました。

そんなモードを生姜焼きの具材、調味料に例えた非常に理解しやすい話なのでご紹介します。

例えばマイルス・デイヴィスの「So What」でもJohn Coltraneの「Impressions」でも良いのですが、要するに(サビの転調はあるとして)ずっと同じコード、具体的にはDm7でアドリブし続けるのです。

同じコードでずっとアドリブし続ける?というのが、モダン・ジャズの大本かつ教材となっているバップ学習者からすると理解し難いようです。

ざっくり言うと、どの音を逐次のフレーズの最後の音にするか=どの音をモードの中より選択したか、のヴァリエーションを紡ぎ続けるってことなのです。

その選択すべきモードの音を生姜焼きの具材及び調味料に例えているのです。

では、代表的なモードのアドリブ、Dドリアンを例に説明しましょう。

Dドリアン、構成音は下記です。

D(ルート)、E(9th)、F(♭3rd)、G(11th)、A(5th)、B(13th)、C(7th)

DドリアンってことはコードにするとDm7なので、基本のトライアド、Dmを構成するD 、F 、Aは肉になります。

で、7thのCが醤油。

それぞれのテンションは、9th=ニンニク、11th=生姜、13th=みりん、だそうです。

この7th以降の例え方が絶妙というか、天晴れなんですね。

トライアドだけではジャズの味わいがないので、7thが醤油。

ピリッとジャズっぽさを感じさせる9thがニンニク。

ニンニクほどではないけど、味にシャープさを持たせる11thが生姜。

オクターヴ下では6thなので、ルートに対してはキツいテンションではないが、深みを持たせる隠し味的な13thをみりん。

やぁ、流石。

これは音川さんが独自に考えた理論だそうです。

さらに、モード以外の5音はクレイジー・ソルトだったりパクチーだったり、個性的な調味料だったりするので、上記の7音みたいにいつでも使えるわけではなく、使い所を精査しなくてはならないとのことでした。

そんな中でもA♭(-5th)はマイナーのブルーノートなので、クレイジーソルト的に使える場面が多くかつ効果的です。(これはワタシの感想)

今日の一曲:Miles Davis / So What

話の流れ上これしかないですね。

個人の感想ですが、やっぱコルトレーン良いっすね、この頃はマイルスがジャイアン、コルトレーンが出来杉君と言う気がします(笑)

今宵の担当:nori

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