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記事一覧

映画と映研が教えてくれたこと

講演会っぽいタイトルを付けてしまいました。気の利いた代わりの言葉が思い浮かばないので、このまま書くことにします。 深い映画の話を期待してる方には最初に謝っておきます。甘酸っぱい話を期待してる方にもごめんなさい。映画や映研のことを書きますが、私がここで書きたいのは、今になって思えばあの日々には何かの意味があったのだろうということです。大した話は書けません。ただ今の自分は自分が思うよりずっとあの頃の影響を受けてるのだなと最近気づくようになったのです。 大学4年間を映画研究会と

『おくりびと』

当時 mixi に書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 ※公開当時の感想です。 =2008.10.12の日記= 『おくりびと』 こんなに端正で美しい映画を見たのは初めてです。 さりげないユーモアに、さりげない優しさ、深い悲しみと、深い喜びと・・。見てよかったと心から思える映画に出会いました。 見終わって気づくのは、この映画には無駄な部分がないということ。 チェロが重要な役割をします。楽団解散で職を失ったチェリストが、故郷にもどり偶然の出会いから納棺師という

『アルプススタンドのはしの方』映画と高校演劇の舞台を見て。

夏の高校野球。甲子園大会の一回戦。 そのアルプススタンドのはしの方の物語。 映画のほう高校球児が活躍するグラウンドはこの映画には出てきません。カメラが映すのはほぼ応援席のみ。登場人物の会話やブラスバンドの応援や打球音で試合の展開を思い浮かべながらストーリーを追う。そんな変わった映画です。 主な登場人物は4人。演劇部の女子2人と元野球部の男子1人、それと成績優秀な女子1人。自分たちの学校が甲子園大会に出場することになり、生徒全員で応援を命じられ、テンション低いまま参加するこ

映画『虹の女神 Rainbow song』

当時 mixi に書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 ※大学時代、映画研究会に所属していました ※8mmカメラ最後の世代 =2009.05.24の記事= 映画『虹の女神 Rainbow song』 映研をテーマにした映画があることをマイミクさんから教えてもらいました。それが『虹の女神 Rainbow Song』。ようやく見ることができました。 主演は市原隼人と上野樹里。監督は熊澤尚人。2006年公開。 岩井俊二がプロデュースした作品です(共同脚本で参加もし

映画 「父と暮せば」

当時ブログに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 ※映画公開時の感想です =2004.08.22の記事= 「映画 「父と暮せば」」 監督:黒木和雄 出演:宮沢りえ、原田芳雄、浅野忠信 もう少し、あともう少しこのまま見ていたい。そう思った映画でした。 ここには私たちが失くしたものが溢れています。 それは例えば、まなざしの優しさです。 この「父と暮せば」は、黒木和雄監督の戦争レクイエム三部作の完結編になるのだそうです。一作目は長崎の原爆投下までの市井の人々の