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お客A

この文章をとあるチェーンの喫茶店で書いている。
「チェーンの」というのがポイント。
個人の喫茶店やカフェはどうしても客を客としてほっといてくれない。
注文する時、聞いてもないのにメニューの説明をしてくるし、
去り際「良い1日を!」なんて言ってくる。
やたらお客を店の登場人物にしたがる。
勝手にお店の相関図に入れないでくれ。
それに比べてチェーンの喫茶店は心底ほっといてくれる。
メニューの説明は聞いたら答えてくれる程度だし、自分がどんな1日を過ごそうがどうだって良い店員さん。無関心サイコー!
自分はあくまでお客Aの役が良い。
エキストラが良い。

それは社会でも会社でもそう。
出来る限り社会人Aとして目立たず存在していたい。
この世がもしドラマだとして、『この世』というドラマの公式HPの相関図に顔写真が載って、写真をクリックすると人物説明が出てくるような人にはなりたくない。
しかし、厄介なのが自己顕示欲というものが人にはある。
ほっといてほしいのだけど、自分をみんなに知ってもらいたい。
だから社会人Aの役なのに、「お前は社会人Bだ」と言われたら腹が立つ。
声高に「自分は社会人Aだ!」と言いたくなる。
自分の場合、自分は明るい性格だと思っているのだけど、見た目だけで根暗、インドア、大人しいと定義付けたがる人がほとんどだ。そんな自己流の勝手な統計で決めないでほしい。
中森明菜も「少女B」だと言われたら、きっと激怒したに違いない。

考えてみればずっとそうだったかもしれない。
前の職場の実習で講師に「案外明るい子なんだね」と言われた時は、講師を「A」の先端で突きたくなった。「案外」ってなんだよ。
その為、それから自分が明るい人に見られるようにいつも笑顔でいるようにしてたら「何をずっとニヤニヤしとるんや」と先輩に𠮟られた。加減は大事。社会人Aとしての学び。

でも少年の時は小文字のaぐらいだったかもしれない。大人になってAになったのに、更新されずにaの感じで接してくるから同窓会って苦手なのかもしれない。中森明菜だって「少女a」だと言われたら、きっと嫌だったに違いない。筆談じゃないと分からないけど。

結局、何が言いたかったというと元町珈琲は最高ということ。



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