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【青春18で行く】鉄道唱歌1人旅(東海道編第2番〜第3番)

2番

右は高輪泉岳寺 四十七士の墓所
雪は消えても消え残る 名は千載の後までも

新橋を出た汽車は高輪・品川へと南下して行きます。

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ここは、山手線30番目の新駅高輪ゲートウェイ駅がある辺りに該当します。この「高輪ゲートウェイ」という駅名は、命名に関してあれこれありましたが、僕はこの駅を通るたびに、その命名センスを尊敬します。しっくり来すぎていて、天才的によくできた駅名だと思います。

そこで、歌に登場する泉岳寺を置いといて、ここでは、高輪ゲートウェイ(以下、高ゲー)の魅力を少しだけ書いておきたいです。

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田町と高ゲーの間、第一京浜沿いには「高輪大木戸跡」という石垣のある茂みに、巨大な木が歩道を遮断するように居座っています。さも大切に扱われてきたこの巨木は、江戸時代、東海道を行き来する人に向けて、東京と神奈川の境界を示す役割を担っていたのです。

不思議じゃないですか?今の品川駅が約200年前までは神奈川県として見られていたと考えると。つまり、ここ高輪は、江戸への玄関口「ゲートウェイ」となっていたのです。

また、現在品川駅周辺の地下では、中央新幹線の建設が着々と進んでいます。数年後にはリニアが完成し、名古屋や大阪への玄関口「ゲートウェイ」と姿を変えます。品川周辺の開発には本当に目が離せません。

他にもいろんな意味のゲートウェイ的意味合いが込められていると思うのですが、相変わらずよくできた駅名ですよね。

最近は、再開発の工事中、ちょっと地面を掘り返したら、明治時代に海の上を鉄道が走るために築堤された石垣の一部が出土したりするなど、今も昔も鉄道の要衝として、この場所がどのように開発されてきたか考えるだけでワクワクします。

3番

窓より近く品川の 台場も見えて波白く
海のあなたに薄霞む 山は上総か房州か

ワクワクしたところで、品川に移ります。かつては駅の目の前まで海岸線が迫っていたのでしょう。言うまでもなく、今は、品川駅から自転車で数分移動しないと海岸線に到達しません。

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「台場も見えて」と言うことで、レインボーブリッジの田町側の橋梁の真下にある公園に行きました。

いつ見てもこのループは美しいのですが、肝心の房総半島はどこにも見えません。見えるはずがありません。おそらく、お台場にある観覧車に乗ればやっと、半島らしい陸地が確認できるでしょう。作曲者は見えないものを見えたと話を盛ったのでしょうか、それとも、かつては本当に見えたのでしょうか。その真偽はここでは判断しかねますが、臨海副都心の著しい開発は今と昔で全く異なる景観を生み出しているに違いありません。

ここまでも、前回と同様、ただのサイクリングです。大都会を駆け抜けるサイクリングは安全に走行していても、何かスリリングな感情を覚えます。「旅情」と形容すべきような感情は未だに湧いてきませんね。

前回の投稿で最後に「次回は品川・大森を経て川崎に至ります。」などと偉そうに書いておいて、未だに東京都から出られていませんが、ゆっくり、のんびり、東海道の旅を引き続き楽しんでいきましょう。

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