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【青春18で行く】鉄道唱歌1人旅(東海道編第8番〜第10番)

8番

ここに開きし頼朝が 幕府の跡はいづかたぞ
松風寒く日は暮れて 答えぬ石碑は苔青し

世の中には他者には理解されないものに愛着を抱く不思議なマニアの方がたくさんいらっしゃいます。最初この歌を聞いた時、「苔」という言葉にピンときまして、僕の友達にいる苔マニアの顔が頭に浮かびました。ちなみに、僕は鉄塔マニアです。

「苔マニア」、まあ気持ちはわからないでもないです。長年かけて岩にこびりつく姿は愛くるしく感じられるのでしょう。この歌を作った人も、もしかしたら歌に歌いたくなるほどの苔マニアだったのかもしれません。頼朝を偲んで、思わず苔に話しかけています。

9番

北は円覚建長寺 南は大仏星月夜
片瀬腰越江ノ島も ただ半日の道ぞかし

横須賀までの旅路をさらに逸れて、寄り道に寄り道を重ねます。江ノ電に乗って江ノ島に向かいました。

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鉄道唱歌あるある、すでに3個目となりますが、9番の歌詞も、よく出てくる形式の典型例です。それは、その都市の観光名所を方角別に列挙し、歌い上げ、瞬間的にその街の観光を完了させる歌詞です。他にも京都や広島、熊本でも、このような歌詞が登場するので楽しみにしておいてください。

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江ノ電の車窓は日本で1番美しくないでしょうか。僕は結構気に入っています。真横を青々とした相模湾が見えたと思えば、レトロな踏切を横切り、民家の中に潜り込んでいく、まるで、緑の小箱が海岸線をちょこまか動き回っているみたいで、この上ない旅情を醸し出してくれます。

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江ノ電の江ノ島駅前にサンタコスをした鳩がいたので思わず写真を撮ってしまいました。残念ながら飛びもしませんし、動きもしません。

10番

汽車より逗子を眺めつつ はや横須賀に着きにけり
見よやドッグに集まりし 我が軍艦の壮大を

真冬の片瀬海岸でウィンドサーフィンに勤しむ若者たちを横目で見ながら、江ノ電に乗り、鎌倉駅に戻ってきました。

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引き続き、横須賀線逗子行きに乗り、逗子に到着後、さらにドアカットで知られる田浦駅を経て、横須賀に到達しました。

電車内で何人かのおじさんたちが、「横須賀駅は日本で唯一駅構内に階段が一段もないんだよ」的な話をしていました。たしかになかったように見えましたが、そんな駅、北海道で探せばいくらでも出てきそうですよね。どうやら、これは駅での軍事物資の積み下ろしを楽に済ませるための設計だそうです。

横須賀に着いてやることはただ一つ、海軍カレーを食べることです。駅から少し歩いた商業施設にあるいい感じのカレー屋が目に留まったので、メニューも見ずに入店しました。

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そうしたら、なんとその店は時間制限90分で海軍カレーが食べ放題できる店だったらしく、予期せずとも90分のタイムアタックが始まったのです。

しかし、結局のところ、30分くらいで3杯平げ、満腹になったので店を出ることにしました。カレーのルーも4種類あり、ソフトクリームも食べ放題と至れり尽くせりのカレー屋でした。

駅前の港に並ぶ潜水艦や軍艦の類を観察して、寄り道終了です。唱歌は再び大船に立ち戻ります。

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