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【青春18で行く】鉄道唱歌1人旅(東海道編第13番〜第15番)

13番

出でてはくぐるトンネルの 前後は山北小山駅
今も忘れぬ鉄橋の 下行く水の面白さ

御殿場線の旅が始まります。国府津を出て松田で小田急を跨ぎ、山奥に入って行きます。

歌に出てくる「山北小山駅」というのは、現在の山北駅や駿河小山駅に該当します。ここら辺は12番の歌詞にも登場した「酒匂川(さかわがわ)」に並行する形で鉄道が通っており、途中何度も鉄橋を渡るのです。

今はローカル線の体裁を為している御殿場線ですが、見えてくる車窓には、かつて、東海道本線として使われていた頃の複線化されていた名残が随所に見られ、日本の大動脈としての面影を伺うことができます。

14番

はるかに見えし富士の嶺は はや我が側に来たりたり
雪の冠雲の帯 いつも気高き姿にて

今から100万年ほど前に伊豆半島と本州が衝突したことで形作られた富士山は、この歌が作られた100年前と同じ姿で今もそこに残っています。

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12月のこの時期の富士山は静岡県側から見た時、「雪の冠」を観測することができませんでした。Twitterか何かで同じ日に忍野八海で撮られた写真を見た時には、立派な「雪の冠」を冠していたのですが、少し残念です。

しかし、この日は「雪の冠」よりも、おそらく発生確率が低いであろう立派な「雲の帯」が見られました。写真にあるように、西に向かって棚引いている雲がまさに帯のように頂上付近を取り巻いています。

いつ見ても美しい山の姿は江戸時代から東海道を行き来する人々の目に映ってきたでしょう。この先は、ずっと右手に富士山を見ながら静岡を引き続き横切って行きます。

15番

ここぞ御殿場夏ならば 我も登山を試みん
高さは一万数千尺 十三州もただ一目

御殿場に到着しました。御殿場と言えば、多くの人が最初に思いつくのはプレミアムアウトレットでしょうか。「プレミアム」なのか「アウトレット」なのか白黒はっきりしてほしいですが、げんこつハンバーグで知られる有名なハンバーグ屋さんなどもあり、首都圏の人間が日帰りで訪れる、箱根や熱海などと並んで、言わずと知れた観光地です。

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富士山の登山ルートのうち、御殿場から登るルートも存在するので、夏になったら登ろうと思えば登ることは可能です。歌に出てくる「十三州」とはいったいどこなのでしょうか。

いくら調べてもわからないので、ここからは僕の推測になりますが、もし、この十三州がかつての旧国名で東海道に分類されていた常陸・下総・上総・安房・武蔵・相模・伊豆・甲斐・駿河・遠江・三河・尾張・伊勢だとしたらロマンがあって素晴らしいんですけど、残念ながらそれでは十四州なんですよね(笑)。

御殿場線は、この後、終着駅の沼津駅に到着します。次に歌に歌われるのは三島なので、東海道線を1駅だけ逆戻りする必要があるのです。次回は太陽が沈んだ後、暗闇の中の三島大社から始まります。

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