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【青春18で行く】鉄道唱歌1人旅(東海道編第4番〜第5番)

4番

梅に名を得し大森を 過ぐればはやも川崎の
大師河原は程近し 急げや電気の道すぐに

現代風に言い換えると、京浜東北線が品川を離れ、大井町を過ぎ、大森に至る場面を歌っています。

ここで登場する「梅」は今で言う池上本門寺のあたりに咲く梅のことでしょう。また、「大森」と言えば「大森貝塚」が有名ですが、日本初の鉄道が新橋横浜間を結び、外国からやってきたモース博士がこの区間を乗車中に、貝塚っぽい地層を発見したという話は有名です。

モース博士はおそらく、超能力者の類でしょう。汽車の窓から普通、地層に埋まる貝が見えますか?透視能力的な視力を持ち合わせていないと発見できないと思いますが、そのようなくだらない妄想をしているうちに、列車は多摩川を渡り、神奈川県に突入します。無論、この日は自転車で行きましたが。

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歌に登場する川崎大師はだるまで有名なところです。受験シーズン直前の12月は、写真のように店頭にだるまがずらっと隊列を為して並んでいます。

唱歌では「急げや電気の道すぐに」と歌われているところですが、1日目はここまでです。次の横浜までは、流石に自転車で向かいません。また、5番以降は1番で歌われる単位歌詞あたりに取り上げられる距離が長くなることも理由です。明日の朝、ついに青春18きっぷを利用して、本格的に旅をスタートさせていきます。

5番

鶴見神奈川あとにして ゆけば横浜ステーション
港を見れば百船の 煙は空を焦すまで

さて、始まりました青春18きっぷの旅。12月17日の朝は、楽しみすぎて待ちきれず、まだ太陽が昇ってこない時間に家を飛び出したのを覚えています。もし友達と、もしくは家族と出かける場合は必ず誰かを待つ、もしくは待たせてしまうことがありますが、1人旅なので、そんな事態は起こり得ません。早速、1人旅の恩恵を享受できています。

この日の最初の目標は、9時から始まる1限のzoom授業に鎌倉のスタバから出席することです。あくまで大学生なので、たとえ旅行先であったとしても授業に出席しないわけにはいかないのです。また、この日の最終的な目的地は静岡県の三島駅であることも、最初に書いておきます。

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桜木町は言わずと知れた鉄道発祥の地です。かつて赤レンガ倉庫まで伸びていた鉄橋の遺構を渡り、誰もいない朝焼けのみなとみらい地区を散歩し、ベイブリッジの先に東京湾を行き交う「百船(ももふね)」の存在を確認したら、作曲者と同じ光景を見たことになるでしょう。隣の関内まで1駅歩く朝のウォーキングを実施したら、再び東海道線に乗車して、大船を目指します。

やはり川崎以降の歌詞は、1番当たりに取り上げるスパンが長くなっています。5番の歌詞にあるように「鶴見神奈川あとにして」と何駅か飛ばして進みます。これは鉄道唱歌あるあるなのですが、たまに歌詞を作るのが面倒になったのか、ただ地名を連呼して通過してしまう場面があります。まあそれはそれで疾走感が滲み出ていて、むしろいいと思います。

横浜を出ると、保土ヶ谷戸塚を飛ばして、次に歌に登場するのは大船となります。さてさて、1限の授業には間に合うのでしょうか。時計の針は8時を回っています。

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