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【青春18で行く】鉄道唱歌1人旅(東海道編第6番〜第7番)

6番

横須賀行きは乗り換えと 呼ばれて降るる大船の
次は鎌倉鶴ヶ岡 源氏の古跡や尋ね見ん

大船駅に到着しました。時刻は8時7分。1限の開始時刻まで1時間を切っています。突然ですが、唱歌はこの駅から盛大な寄り道が始まります。あろうことか東海道を離れ、三浦半島の先、横須賀まで歌が続くのです。

これも、鉄道唱歌あるあるなのですが、奥州・磐城編での宇都宮日光間や山陽・九州編の小倉宇佐間など、本線から脱線して寄り道をする場面が何回か見受けられます。この大船横須賀間もそのうちの一つなのです。

1限に間に合わないので、つべこべ言わずにさっさと乗り換えましょう。横須賀線に乗り換えて大船から2駅で鎌倉に到着します。授業まで時間が微妙にあるので鶴岡八幡宮を3分だけ観光しに行くことにしました。まさに「源氏の古跡や尋ね見ん」です。

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最近、感染症対策のためにJR東海が推進している「ずらし旅」という言葉がありますが、僕の場合は、常人が思いつくような旅程ルートからちょっとずらし、誰も思いつかないような旅程を辿ることをよくします。おそらく史上、鶴岡八幡宮を観光しに訪れた人類の中で歴代トップ10、うまくいけばトップ3には入る滞在時間の短さを記録したと思います。

7番

八幡宮の石段に 立てる一木の大鴨脚樹
別当公暁の隠れしと 歴史にあるはこの影よ

初めて訪れたときはその階段の高さに圧倒されましたが、今回の訪問では圧倒されている暇さえありません。歌に登場する「大鴨脚樹(イチョウ)」を見て公暁に思いを馳せた後、階段を上りきって写真を撮ったら、すぐに駅前のスターバックスに戻ります。駅から鶴岡八幡宮までは片道徒歩10分。階段を登り切った時点で8時36分。意外と余裕は全然あるのです。

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どうやら歌に登場する大イチョウは2010年に倒れてしまったらしいです。源実朝を暗殺した公暁が身を隠すのに利用され、幕府が滅亡する瞬間を静かに見守っていたイチョウでしたが、諸行無常とはまさにこのことで、仕方のないことです。最近では残った切り株から新芽が生えてくるなど、その生命力の高さを見せつけています。

1限の授業に間に合ったことだけは報告しておきます。次回は江ノ島へとさらに足を伸ばし、寄り道の終着地横須賀を訪れます。やっと旅っぽくなってきました。

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