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【青春18で行く】鉄道唱歌1人旅(東海道編第1番)

1番

汽笛一声新橋を はや我が汽車は離れたり
愛宕の山に入り残る 月を旅路の友として

それでは早速、新橋を旅立ちましょう。

と言っても、実は1日目は自転車で移動できる範囲内の川崎までしか進みません。これにはいくつか理由があるのですが、最大の要因は青春18きっぷの利用期間が5日間であることです。

後々の旅程を計画してわかったことは忠実に歌詞に登場する史跡・観光地・景勝地をくまなく巡ると5日では収まらないのです。そこで、あえて1日目は青春18を使わずに自転車のみで訪れることができる範囲に絞りました。(もともと自転車で放浪することも嫌いではなかったので、この日だけで50〜60kmほど漕ぐことになりましたが、自転車だからこそ巡れた旅程にできたと思います。)

ぐだぐだ言ってないで早く新橋を出発しろといった感じですね。歌詞の説明に移ります。

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有名な歌い出し「汽笛一声」ですが、実際この汽笛が鳴り響いていたのは、現在の新橋駅から少し離れた、といってもすぐ隣の現汐留駅あたりだと思われます。

現在は電通の本社ビル、日テレのビルなどの高層ビルが林立し、夕方になると、そらジローがわちゃわちゃし始めるあの場所は、かつての広大な貨物ターミナルの跡地であり、再開発されたエリアに当たるのです。
なるほど、確かに山手線内側に蔓延る呑み屋街といった雰囲気とは正反対に、山手線外側は整然と区画整備され、空にはゆりかもめが行き交う近未来的な街並みが視界に入ってきます。

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歌詞に歌われる「愛宕の山」というのは、地下鉄日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅付近にある愛宕神社のことでしょう。

90段近くある階段を登った先にある神社は、両隣を森ビルのヒルズに挟まれた大都会の狭間にひっそりと存在する江戸時代からの由緒ある神社です。

23区内で一番標高が高い山として知られる愛宕山は、かつて新橋を出発する汽車から見えたのでしょうか。現在、京浜東北線や山手線に乗っていては、目の前に立ちはだかるビル群のせいで、なにをどうやっても、山の存在すら確認することができません。鉄道唱歌の面白さはこういうところにあると思うのです。

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そして、1番の歌詞で忘れてはいけないのが、旅路の友としてこれからこの旅に、(なかば強制的に)連れていかれることとなった「月」の存在です。この時点では、ただ一緒にとぼとぼついてくる存在ですが、実はこの歌でもう一度登場しますので、覚えていてほしいです。

ここまでで、1番の歌詞で言及しておきたいことは全て触れました。旅の出だしということで、諸々説明しなければいけない前提や背景があったわけですが、次回からはスピードアップしていきます。

未だ「旅」とは言えないほどの、ただのサイクリングをしているだけに過ぎないのですが、12月の晴れた日の午前中、吹き付ける寒風は、これから始まる長旅の厳しさを教えてくれているように感じました。

次回は、品川・大森を経て川崎に至ります。


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