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植樹活動の光と陰

植樹NPO法人の違和感

これから話すことは、あくまでも私、個人が感じたことであり真実は分かりえないことです。
あくまでも私の感想と考察に過ぎないのでどう思うかは個人それぞれであるということをご理解の上、読んでいただきたい。

ある仕事がきっかけで植樹活動をする某NPO法人を知ることになった。
このNPO法人は、植樹活動においては国内で上位の団体になるようだ。
参加企業も名だたる企業の名前が連なっておりこの植樹活動をしている団体のサービスを用いているようだ。
某銀行や小売業、学習塾などなど。
例えば、売上の一部をこの団体へとか商品購入時や制約時に1本植樹など。
私が関わっているところもここのサービスを用いていることからここのNPO法人の存在を知ることになった。
ホームページリニューアルに伴い植樹についてのページも手を加えることになったのでこの団体の素材などを確認するため事務局とのやり取りが発生したがその対応がどうも???と思うよな感じだった。
ここで違和感を覚え始めた。
簡単に言えば支配力、私欲が強いと感じた。
ホームページは、この団体のものではなくよそ様がお金を支払って制作しているものである前提が抜け落ちているようでまるで自分たちの広告出稿かのような言い方で、しかも上から目線。
そんなやり取りがあったので個人的にこの団体に対して不信感を持ち出した。
植樹の流れも植樹の敷地面積によってお金を支払ってそこに植樹をしていくようなので決して安い金額でもない様子。
しかし、そのシステムも事務的でただお金を支払って植樹を代行してもらっているだけなのでその植えた樹がどうなったとかはイマイチ見えない。
申請などすれば現地へ行くこともできるそうだがどうも閉鎖的。
これでは、お金を支払っているだけで植樹した”気”になるだけの味気なさを感じたので疑問に思いこのサービスについて「今後も続けていくのでしょうか?」と聞いてみてしまった。
そこから他に環境に関する活動をしている団体を探してみることにした。

植樹だけでいいの?!

たまたま自分の住んでいる地域から近い場所の森でイベントがありそこに参加した時にその森を管理している団体を知ることになった。

11月のイベントの様子

後日、コンタクトをとって森を案内してもらったりこの森の経緯を聞かせてもらった。

森の風景

そして、とても興味深い話を聞くことができた!
実際に森を案内してもらいながら見てお話を聞いてみないと感じ得ないことがたくさんあった。
私もこれまでは、植樹は「環境に良い」と思っていたので植樹した後のイメージが全くなかったのだ。
この森の近くになんと、例の団体が昔、植樹を行ったエリアがあるとのこで見学へ行った。

この両脇が植樹された樹。

人の手によって都合よく植樹されているので自然界では不自然と思われるような均等な配置で並ぶ樹々。
そして、なんだか暗く鬱蒼としており「怖い」と感じる。
この「怖い」と感じるは主観なので全く何も感じない人もいると思う。
私は、田舎で育ちで自然が多い場所に身を置いてきたため自然に対する感度は高い方だと思う。

植樹された樹々

奥の方は、日が当たらず暗闇になっている。
素人の私でも、枝が窮屈そうにしているのが分かるし枯れているのも分かる。
「手入れはしないのですか?」と聞いたらこの植樹された樹は、団体の規約により10年は切ってはいけない、手をつけてはいけない決まりがあるそうです。
正直、驚いた!
人間都合の勝手な規約により管理することができなとはなんともオカシナ話だと感じた。
専門家の方によるとこの状態になるとこの樹は建材として利用もできないので手入れができない以上、ただ枯れるのを待つしかないとのこと。
植樹は決して悪いとは言わないが、人工的に人都合で都合よく植樹された樹は、人の手によって管理しなくては意味がと思わずにはいられない光景だった。

植樹番号がお墓の番号のよう

これを見て植樹は、いいことだと思いながらこの団体に送金して取り組んでいる人達や企業はどう思うだろうか?
これは、実際にその現場に足を運ばないと分かり得ないことだ。
PCの前でポチッとしただけで植樹は完了し環境のためにと思ってしていることが逆に環境を脅かす行為に加担しているなんてこともあるのではなかろうか?!

朽ち果てた植樹番号

この現状をどう思うかは、人それぞれだが冷静に自然の摂理で考えると新たに加えるのであれば、その分削ることもしなくてはバランスが保てないのだ。
そう考えると植樹で樹を増やす行為をするのであれば、利用して消費する行為がないとバランスが保てず循環していかない。
ましてや人間都合で植えられている時点で不自然な訳だから人間の手で管理をしてより自然に近い状態に持っていかなくてはならないのではなかろうか?
それを、人間都合で10年手を付けてはいけないと言うのは本当に勝手過ぎるのではないかと感じる。
やるのであれば、最後まで面倒を見るのが筋である。
ただ植樹して放置では、「いいことした気」になっているだけの自己満足にしか過ぎない行為で自然への配慮が全くないとすら感じる。

死を待つ樹々

光と陰

私自身もこの現場を見る前は、植樹はいいことだと思っていたので今までの固定観念をぶち壊された感じだった。
植樹が全部が悪いわけではなく、必要なところには必要な行為ではある。
だから良い、悪いだけで判断するのではなくもっとその先のことを考えていく必要があると感じた。
あのNPO法人でたまたま接した事務局の人の横柄な態度、人間性みたいな部分とやっている事や規約、名だたる大手企業が送金している背景なども見ると相当な金額が動いているはずなのに植えた後の管理はしないところを見て闇深いなと感じたのが率直な感想だ。
イベント会場となった素敵な森は、市の持ち物ではあるが個人の人達の寄付で管理が成り立っているそうだ。
個人の寄付だけで管理するのもなかなか大変なのに真摯に自然と向き合って森を育む活動を地道にやられている団体さんにはなかなか光が当たりずらい社会もそろそろ終わってほしいと切に願う。


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