見出し画像

"The LEPLI" ARCHIVE 113/「おもて、それは虚飾の耀き、」、新たな都市構造としての「カジノ産業」−4;

文責/平川武治。VIA VIGANO 4,MILAN:
初稿/ 2014年3月11日。

 IR法案が誕生し、新しい都市環境が誕生するという視点で、これからの「カジノ産業」を
考えてみる、「表、それは虚飾の耀き」。

都市に構造化される『カジノ産業』とは、/
 ”入れ子構造”/" Nested structure"という民衆を囲い込む新たな『表』環境構造。
この現実の今後の悲惨な『裏』の事実を覆い隠そうと、遂にこのように「パチンコ業界」の
上場化が日経ビジネス誌上でプロパガンされ始めましたね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140227/260342/

 既に,僕が10年前のこの「カジノ学会」が出来上がった時の妄想思考がそのまま現実へ。
そして、この記事も深読みする必要が有ります。
その根幹は、「カジノ」ができると、新しいファッション需要が誕生もするからです。

 ここに至る発端は’04年に構想化された「徳島カジノ学会」です。
このアイディアは医師を中心にした富裕層が投げ掛けました。
http://www.casino-kenkou.jp//web/presentation/casino_health_system.pdf
 その後、当然のようにこの案に乗かって来たのが
「パチンコ・チェーンストア協会」でした。PCSA/ http://www.pcsa.jp/member.htm

 そして,「観光立国化」としての大きな役割を果たす「東京オリンピック」を機に、
このように堰を切って流れ出したのがこの『カジノ産業』の立法化と産業化の現実情。
この根幹は,戦後の在日系が主導権を摂っているパチンコ業界の上場化と拡大化。
その裏にべったりとへばり着く愛国心擬を持ったコバンザメ族ジュニア議員たち。
そして、極論はもう一つの「ハコ」を構造化する試みとそのもう一つの「箱」が生み出す
「利権」ビジネスでしかありません。

 ”B層たち”に解り易く言えば,”ラスベガス”という”ハコ"が東京に出来る。
その為にはここで通用する”貨幣”が必要。
そこで、現在のパチンコ業界が行っている「換金制度」を改定しなければならない。
この流れです。
現在は別構造になっている「換金制度」の仕組みをパチンコ店内で換金出来る
構造即ち、これを改訂する事からこのカジノ構造の"事の次第"が始まります。

 一度でもカジノへ1週間ほど滞在した人であれば、お解りでしょうが
ここは、もうある”一つの國”構造になっていますね。
カジノには欲する事を満たす全てが構造化されて、機能することそのものが「カジノ」です。
それは人間の虚飾や業慾を充足させられると思うものが全て有るという事です。
否、それを根幹に構造化されたアメリカ特有の人口環境なのです。
所謂,美男美女の従業員たちと,小ガネを持ったリタイア組の顧客たちのヴァニティな世界。
この世界では、「金、愛、慾、色と食」が揃っているボールルーム。

 例えば、ファッション。
カジノそのものが新しいファッションのための「T.P.O.」となりますね。
また、この環境を利用し、行われるであろう“東京コレクションショー”を軸に、
「見せる、買う、楽しむ、出会う」というファッションビジネスのモチベーションが
新たに誕生することでもあるでしょう。
当然ですが、ショッピングモールが出来、海外ラグジュアリーブチック,各種ブティック、
レストラン、ショーライブ、劇場、スポーツジム,エステ,シネマ,コンサートボクシング等々と日本的には、“エヂュケーションビジネス”ももしかすると参入し
カード,ルーレット、ゲームスロットなどと、e-ギャンブルの参加し、所謂、”賭博”で
儲けられ、愉しむうたかたの生活が出来るのが”カジノ”という新都市機能であり、
それなりの”元金”を使えばそれなりに儲けられ、カッコつけられる構造が”カジノ”構造です。

 この構造は現代の日本における「大衆資本主義経済社会」のオリジナルな”ひな形”の一つでもある。日本的に言ってしまえば、『芸能、エンタメ、プロスポーツ、風俗、高利貸し』などの諸産業をパチンコ業界がもう一つの”ハコ”を構築し、「囲われた賭博」営業を母体に”入れ子”
構造化し、新たな都市機能環境を構築するプロジェクトだと考えてほしいです。

 ここには、”戦後のドサクサ東京”をもう一つ、”入れ子”状態で構築化する根幹が読めるだけですね。従って、パチンコ業界が”上場”をここに来て望み始めたのです。
これはこの『カジノプロジェクト』の必然的なる結論の一つです。

 僕がミレニアム元年を友人とラスベガスで過ごした経験で体験したことですが、 
例えば,カジノホテルに泊まってそれなりのカネを使ってそれなりの稼ぎが出来れば,
このカジノホテルで極論すれば一生,棲みつけられる迄の構造が環境化されている。
即ち,『人間の見栄と傲慢さと慾』をプロヂュースした構造でしか無い。
金さえ有ればセキュリティも確りとなされ、ホテルから逃がさない様に迄の,
セキュリティもあり、ガード(?)してくれる構造です。
 そこで多分、誰かがこのカジノ専用“SUICA”を構造,現実化すれば,
もう一つの、”國”を造る事と同じ構造になる。
故に,このカジノそのものが『国定特化指定区』になり得る可能性も今後は有り得るだろう。

 例えば、カジノについての構造やその内情を知りたければいい映画が有ります。
1995年のアメリカ映画、『カジノ』(Casino)です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%B8%E3%83%8E_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
 監督はマーティン・スコセッシ、ロバート・デニーロ演じるある天才賭博師を通じて、
まだマフィアの支配下にあった70年代のラスベガスが描かれています。
古いカジノですがその雰囲気は参考になります。

 従って、僕は実感として改めてこの恐ろしさを感じます。
これから,どんどん恥ずかしい國に成り下がってゆくでしょう。
そして、『表層』すなわち『表』として、エンタメ、ゲーム,お笑い,アキバ、風俗,
それにここにも書かれている”ダンス系”も新たに組み込まれそれに,ファッションも
絡み合った”バニティ特化区としてのカジノ”が現実になって行くでしょう。
 そして、いずれはあの「キャバ・クラ」と同じように地方に分散され、既存のパチンコ店の
最上階にVIPルーム的にカジノが仕組まれ、地元のVIPたちが貯まる場になる。

 この動きは、今後の日本経済のカンフル効果はあるでしょうが,
自然に育まれて育って来たあの『やまとこゝろ』や、
日本人としての『気骨』は何処ヘ行ってしまうのでしょうか?
ここには『日本であって、日本ではなくなる』将来への可能性も感じてしまう
危機感があります。その横で市民運動家たちの”エコ運動”がもっともらしく継続されてゆく
シーンを想像して下さい。

 僕たちの「国土」を自らが穢してしまったという現実に、”臭いものに布を被せ”、
もう一方では、このレベルの「未来構想」が現実化する『表と裏』構造の國家に
なってしまいました。

 その原因の一つには、政治家とは任期中に自分たちが関われる「利権」取得があります。
日本的な表現では”天下り”構造をどのように制度化するかでしか動かなくなってしまった,
所謂、”政治家役者”が人気を浴び始めましたね。
与えられ、仕組まれたシナリオを政治家らしく只、演じるだけ。
これも「合衆国のレーガン政治」以降から学び始めた”アメリカン擬政治”。
これが小泉以降の”ファミリー利権”を取得するための”流行政治”行政です。
以前の「天下り」は”本人壱代の利権”ですが、「利権」は”一族利権”です。

 あの「3.11東京電力福島原子力発電所企業事故」の丸3年が来る前に、
その責任も投げ出してこの「カジノ」状況が現実化し、
メディアによってプロパガンダが始りましたね。

 ここには『戦後のドサクサでガサツな社会』が、『人格、品性無き、金さえ有れば全て、』の国家へ再び逆走、これからの21世紀にもあの様な戦後ドサクサ社会のリメイク化、
”虚飾のテンプレート”が構造化されてゆくしかない僕たちの國『日本』の
未来なのでしょうか?
 
 これからの僕たちの日本という国家は
『表、それは虚飾の耀き』しか放つことが出来ないのでしょうか?

文責/平川武治。VIA VIGANO 4,MILAN:
初稿/ 2014年3月11日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?