見出し画像

"The LEPLI" ARCHIVES-46/  “The END!!" 結末はいつもこのようだ。 ”M.John Galliano事件”のその後。

文責/平川武治:
初稿/2011年3月 3日:

 「John Gallianoはそんなに悪い子だったのか?」
 このような場合、ポリテカルパワーと資本家が勝つと決まっている。
 その後、ファッションウイークに入ってこのスキャンダルはより、火花を放った。
 釈放されたJohnの映像が流れ、暴言を吐かれたと言う女性がコメントを流す。『私はユダヤ人でない』と。
 そして、以前にも私は彼からこんなことを言われたと言う女性が現われ、
この手によくある手法でゴシップが誤解を招くような音声入りの映像までもがご丁寧に流れる。
 彼と共にDiorの香水キャンペーンで、さあ、これからと言う
ハリウッド女優が、”もうあんなことを言う彼とは、”と
ご丁寧な発言をメディアへ流す。
これでこのスキャンダルの勝敗は決まったものである。

 やはり、金を持っている企業の方が何枚も上であった。
 早速、1日の午後にはファッションジャーナリストたちの巴里の初日、
やっと、ショーにもリズムが出始めた頃そのニュースは流されて、
“The END!!" 
 双方とも話し合いが着かず『解雇』。
このエンディングが欲しかった、会社側の勝利。
と言う事は“陰謀”説も当然出て来る。

 John Gallianoほど実力があり有名に肥大化されてしまったデザイナーの解雇は会社側としても非常に難しく又、金銭的な事もそれなりの額が動く。
 決める時も揉めさせてメディアを煽がして、
辞める時も同様のプロパガンダ行為。
総てが、裏には金次第の行動であるのがこのファッションゲットーの世界。
 従って、彼程のデザイナーの首を切るには、売り上げがどうこうという
話ではなく、
「死んでもらう、病気になってもらう、または、スキャンダル」かの3択でしかない。そして、例に漏れず、今回は”PLAN 3”が選ばれた。
 
 あんなにも才能豊かだったJohnが、
人の何十倍ものエネルギィイを20年間近くもすり減らしてくれば、
挙動不審な男にしか見えなくなってしまうのかも知れない。
そうさせたのも企業。総てが金次第の恐ろしい業の世界でしかないのは
今後も変わらないであろう。
   
 気をつける事は、自分から勘違いをしない事だ。
 
『彼もモードのゲットーの中の道化師でしかなかった。』
 フランスメディアの連中も、この街のサンディカの人たちも、彼らたちの口からでるのは『仕方なかった。最後とはこんなものだろう。』と言う
最もらしいコメントばかり。
 当然、彼らたちはこの企業から恩恵を受けている側であるから
真実は述べられない。
 これが資本主義社会のメディアの本質であり、この構造は日本も外国も
変わらず、ただ、その規模が違うだけである。

 ”飼いならされてしまったメディアとジャーナリストたち。”
あんなにも粋がって、最前列へ座る為、
ショーを見てはしゃぎ廻っていた彼らたちは
実は”コマの一つ”だったんだと言う事を改めて教えてくれたアクシデント。

 さて、またもやこの街で始った”ファッションゲットー”の中は
相も変わらずの世界。
 お利口さんぶったジャーナリストたち、実は飼いならされた、
ただのおバカさんたちと、
もっと、責任感を持たないまだ飼いならされていないブロガーと称する
若いおバカさんたちが只、ざわめく金メッキなバニティな世界。
 だから、此の国のモードのスタンダードを熟知している彼らたちは、
このモードのゲットーの中でよく理解して”エレガンス”を死守しているのだ、『文化を武器』として。

 そして、彼、JOHN GALLIANOは、

今、アリゾナの療養病院へ入れられています。
所謂、軟禁状態ですね。
ここで彼は、蝕んでいた”からだとこゝろ”を癒やし治癒する。
まだ、50歳だ、もうひと世界を築くためにも。

“臭いものには蓋をする。”
これが、”世間”、何処も同じですね。

 これはイギリスの、” The Guardian"紙の3月01日付けの記事です。
残念ながら、あのヘラルド新聞のスージーメンケスさえも、
彼を追いやる、スポンサーよりの視点での原稿しか書きませんでした。
 このリンダ グラントさんの原稿は誠実な勇気ある原稿でした。

” He was well fitted to the plot.
JOHN Galliano,He was neatly taken in by the trick, was he?
Also,He is a jester in the fashion ghetto,too.
But,he is a really great fashion creator & director for me.
Because,he had given the big dream & emotions to so many fashion kids in the world.
And he has a very freedom images, ideas & parodies in his fashion.
Thanks a lot so much,John."/
 By Linda Grant/Article history
 guardian.co.uk/ Tuesday 1 March 2011 15.53 GMT

『彼はうまく筋書きにはまった、JOHN Galliano。
彼はきちんとトリックに引っかかっていましたね。
また、彼はファッション・ゲットーにおけるジェスターでもあります。
でも、彼は私にとって、本当に偉大なファッションクリエイター&
ディレクターです。
 なぜなら、彼は世界中の多くのファッションキッズに大きな夢と感動を
与えてくれたからです。
 そして、彼のファッションには、とても自由なイメージ、アイデア、
パロディがあります。
 本当にありがとう、ジョン。』

文責/平川武治:
初稿/2011年3月 3日記:


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?