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宮古島、サトウキビ畑の収穫体験と、カリブ海の砂糖革命。



さて、松本さんの畑でのサトウキビ収穫体験。

サトウキビの収穫期は冬。冬の気温が下がる時期に栄養を蓄えるサトウキビが、糖度も高く最も効率よくジュースがしぼれるそうだ。


今回は体験ということで、夏のサトウキビを。気仙沼で出会った翔くんファミリーと体験してきました。

刈り取ったサトウキビの細胞を壊し、糖分を抽出して、ジュースをつくる。


この絞りたてジュースがめっちゃくちゃ美味しかった!!!糖度計で測ると、その糖度は20度。暑かったけど、疲れ吹き飛んだ。

(このジュースを煮詰めていくと、黒糖になります。砂糖づくりは、ジュースを遠心分離機にかけ、蜜と結晶にわけて、そこから黒蜜と上白糖などをつくります。)

物産展では、サトウキビの切り株を持って行って、その場でこのジュースを飲んでもらうそう。これは、幸せだー。

このジュースを何時間か煮詰めて、アクをとった「黒糖チャレンジ」という商品を、松本さんが作っているので、今回はそれを使って、黒糖づくりをした。

黒糖を煮詰めて、松本さんが用意してくれた、ごまやピーナッツ(宮古っぽい)を絡めて、オリジナル黒糖をつくる。



僕はゴマを混ぜてつくった。固まってきたらバットに移して冷ますだけなので、形はよくないけどw これは、またやりたいなぁと思った。


シーラーで、ラッピングをして、シールを貼って完成。

最後は、松本さんの砂糖講義を聞いて終了。

今は、収穫したサトウキビは他社の工場に委託して製糖を行なっているけれど、この土地に自前の工場を立てる計画だそう。その時は、おすしにぎりにけたらいいなぁ。

松本さん、ありがとうございました。

最後にまた、ジャマイカでのサトウキビの話を。

砂糖の単一栽培がジャマイカで始まり、キューバ、トリニダード・トバゴなど他のカリブ海の島に渡った17世紀〜18世紀。

アフリカから黒人奴隷が乗った船が、カリブ海に向かう。ジャマイカで奴隷を降ろした船には、砂糖の原糖(上白糖になる前の状態)を積み、ヨーロッパに向かう。ヨーロッパからは、金属やガラス玉など、奴隷との交換のための貴金属が積まれ、またアフリカに向かい、この三角貿易は莫大な富を、それぞれにもたらした。

砂糖づくりによって、カリブ海では、原住民が絶滅し、黒人の島となり、土地も単一品種のみをつくり、土壌も生物も変わった。歴史やカルチャーががらりと変わっていったこの一連のながれは「砂糖革命」と呼ばれている。

砂糖革命は決してポジティブな側面だけではなかったが、しかし、やがてその悲しみから、黒人たちは、レゲエ、スカ、ソカ、カリプソの独自のリズムを生み出し、世界規模のミュージシャン、ボブマーレーもその歴史の中から生まれた。

(Old pirates yes they rob I Sold I to the merchant ships~~ (奴隷船に売られた俺は、、、)から始まる、redemption song.)

松本さんは、誰に頼まれたわけでもなく、
誰かに連れてこられたわけでもない。
「サトウキビから砂糖をつくりたい」
意思をもって自分で、ひとりでサトウキビをつくっている。

もしかしたら、それが誰かにとっての革命になるかもしれないし、ならないかもしれない。しかし、松本さん自身にとって、宮古島のサトウキビ畑は、静かな、そして人生をかけた「砂糖革命」だと思った。

そして、それが宮古島の土地、暮らす人、食べる僕たち、関わるすべての人の幸せになればいいなと思う。


僕もいつか、松本さんのように、
人生をかけた自分自身への革命を起こすような仕事をするのだ。

参考文献:砂糖の世界史、江戸の料理と食生活

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