白のボクシーの家

小学校の時に通学路だったとある団地の家の車庫に白のボクシーがあった。

平日に必ずそこにとまってて、私は車に1ミリも興味は無いけど(こないだ部長のベンツに乗せてもらったらあまりに良すぎて車を好きな人の気持ちを軽率にわかった気にはなったがそれはさておき)ボクシーの顔がすごく好きで毎回通学する時に顔を確認してた。

たまに玄関先に60くらいのおっちゃんがいて、このおっちゃんの車なのかなーとか思いながら会釈して通り過ぎたりもして。

たまに逆向きに駐車してあって、後ろの顔も好きだった。6人乗り?くらいの大きさの車では本当に1番好きな車種なのだが、私も小学校を卒業してからはその家の前を通ることも減ってしまい、それから10年くらい経って、まだ実家から車で会社に通ってた時に、その家の前を通ったら中学生がチャリンコにもたれてその家の前で待っててそしたらすぐ奥からまたもや中学生が出てきて、出てきたのはおそらくその家の中学生なんだけど、2人でチャリンコで学校にいってしまって、車でその家の前を通ったらボクシーはもう無くて、車庫は空っぽだった。

もうボクシーないんだ〜って思って、まあでも普通か〜とか思いながら運転してた。
んで、先週の土曜日、実家に帰る時にその家の前をまた久しぶりに通ったら家、解体工事してた。
なんか悲しくなって、その家の人とは1回も話したことすらないしボクシーも一年くらい前にすでに無かったのに家の解体は、しかもちょうど解体工事の最中だったからなぜかショックを受けてしまった。

さっきボクシーを検索したら私が好きだったボクシーを探すのに苦労した。
型が変わってて、もう自分が好きだったボクシーの顔はそこにはなかったし、同じ名前の全く別の車種って感じ。びっくりだよ

ボクシーの乗り主だったかもしれないおっちゃんのこととか、ボクシーの家の中学生はもう中学卒業したかなーとか、ボクシーの家の中学生をチャリンコにもたれて待ってた友達の中学生とか、道ですれ違ったくらいの向こうは私のことなど一切知らないのになぜか、変な言い方をすると勝手に思いを馳せてる自分がいて、気持ち悪いけどめちゃくちゃ考えてしまう。多分あの家が更地になって、新しい家が建ってもそこにあったボクシーを思い出すんだろうな〜

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