TV少年H

60年前、TVは白黒放送時代、沖縄の南端小島電気もラジオもない。4コマ漫画、四角い箱T…

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60年前、TVは白黒放送時代、沖縄の南端小島電気もラジオもない。4コマ漫画、四角い箱TVで映画が見られるという。 魔法の箱解明すべくパスポートと着のみ着のまま上京。東京の放送局キー局入社、失敗だらけから40年間番組を放送し続ける、超面白エッセイ。

最近の記事

1138 喉輪

絶滅危惧種で、天然記念物イリオモテ山猫は西表島にしかいないが、実は石垣島にもいたと言う説もあるが、この黒島にも60年前頃まで生息していた。 黒島でこの山猫を見た人は最近他界したので今ではひかる只一人しかいなくなった。 この山猫は普通の野良猫と比べ、顔がまん丸くてシッポが太くて短い、足も短い、いわゆる短足ずんぐり型だ。 顔が丸いのは顎の筋肉がかなり付いているのだろう。足が短いのもかなり筋肉が付いているせいで短く感じられるのだろう。 運動能力は通常の猫の域をはるかに越えている。

    •  1137 思考配分

      また思考配分をした生き方をすると、チャンスが間違いなく時系列で捉えられ、その時の流れや風向き、風色など、一気に喉輪を噛み砕く手法が採れる、といえる。 配分思考、なんて初めて聞く言葉でしょうし、学校でも教えてくれない、がしかし騙されたと思い、頭へ叩き込み実行して間違いない、人生最良のチャンス獲得思考だと言えるでしょう。 十人十色、チャンスもまた十人十色で違います。己の脳、波長に合ったチャンスを捕らえる。 それには、配分思考を常に心がけ、好奇心を絶やさない。その二本柱の元に前もっ

      •  1136 時代背景

        昭和30年代、集団就職で沖縄から大勢の人が本土の工場へ寮生活でなだれ込んだ。 数年もすると飛び出すが、身よりもなく親の援助や庇護もない。 世の厳しさに負け、犯罪をおかす人も出る。 ニュースで名字から沖縄出身者であることは判明する。 沖縄出身者は犯罪者的な偏見が漂っていたのだ。 ひかるはパスポート時代に結婚。単なる反対ではなくこのような時代背景もあり、塩をまくだけではなく、警察を呼ぶ、と喚かれたことがあった。 何もなくても、その内事件を起こすだろう、と見られていたようだ。 先日

        •  1135 彫刻刀

          人体にとって、血液は酸素やビタミンを運び調節、無くてはならない重要な役割を果たす事はいうまでもないが、人生においては、その役目を好奇心が果たすのではないだろうか。 好奇心があるからこそ、知恵が湧きだし工夫もするし、トライも出来、幸せも湧き出る。 小学校時、貧しくてクレヨンが買えない、がしかしじっとしていなかった。 ふしん場を周り釘を見つけてくる。五寸釘は最高で、硬い木に打ちつけ、頭を火にくべ、トンカチで叩き、砥石で研ぐと色々な形の彫刻刀が出来る。 カエルやハト、面や仏像など彫

           1134 簿記

          石垣島の高校に理系コースはなく、ひかるは商業コースで簿記やそろばんを習い、上京後たった二年間夜学の理系専門コースを出、局入り。 昼間は重労働のため、勉強もままならない。 入社時、専門知識は同期の連中に比べれば雲泥の差で、かなり出遅れていたため、情報最先端のシステムは驚きの連続でしたが、好奇心の固まりのひかるにとって最高の場でした。 父の言った、思った通りやればいい、これは生涯ひかるの座右の銘、となった。 進路や会社選び、仕事の上、結婚など、誰にも相談することなく、存分に思った

           1133 高校

          当然石垣島での下宿、高校を出ることなどあり得ないことだ。石垣島にいる父の弟、叔父が乗り込み、産まれた子が栄養が行き届かず三人も他界して、やっと出来た男の子だ、せめて高校くらいは出さないとあまりにもかわいそうだよ、と迫るが父は貝になるしかない。 とうとうひかるを叔父が引き取り、高校を出す事になり、一年おくれで入学。しかし二年も終わる頃、叔父と叔母の言い争いがひかるの耳に入る。 叔父はご用聞きの便利屋家業。五人もの子沢山が、自分の子供すら育てられないくせに他人の子供まで預かる甲斐

           1133 高校

           1132 おいしい画どす

          ところがこの男、とんでもない事をしでかすのであった。 野球中継の技術総責任者は、中継車の中でカメラやVTR、音声や照明等に指示を出し、画像を瞬時に切り替えるテクニカルディレクター(TD)である。 このTDは12台のカメラ、6台のスローなど18画面、音響や照明など、インターカムで繋がっており、適宜に指示、かなり経験を積んだ15年、20年選手が通常は座る。 まさかの出来事だが、このB君、五年を待たずしてTDの席へ座っていたのである。 当然大ベテランは自分がTD席へ座る番。10年早

           1132 おいしい画どす

           1131 映像分野アメリカ完敗

          放送業界、歴史の最重要なVTR問題に立ち上がった人は一人もいなかった。アメリカへ立ちはだかった人はいなかった。 当時民放から見ると、国家予算にも匹敵する巨額の開発予算を行使していたNHKですら、このオメガ方式には関与する猶予はなかった。技術資料館にはオメガ方式、これに由来する物証は一行たりともないでしょう。 このオメガ方式、電子編集こそがNASA開発のVR-300を駆逐し、日本が先進国アメリカを一気に抜き去り、映像王国にのし上がった瞬間である。 ひかるは3年で方式問題、編集問

           1131 映像分野アメリカ完敗

           1130 ソニー社長さんよ!

          ソニーは昔、ホームビデオVHSとベーター方式戦争で大敗、放送用VTRもかなり立ち後れており、VTR事業撤退かと言われたが、ひかるの出現で一気に逆転、なお独占体制。 開発担当部長だったM氏は後に副社長まで掛け上っていったのである。 そこでまたまたひかるのズッコケが出てしまうのである。 ひかるは何時も会社の近く、すぐ戻れる一キロ圏内の焼鳥屋で後輩達と番組談義をしていた。 ソニーM氏から夜食をしたい、との連絡。夕方営業マンが迎えに来、連れていかれたのがホテルニューオータニ最上階の、

           1130 ソニー社長さんよ!

          1129 テリーを生かす

          機材は各メーカーが協力体制を採っているので時間の問題だろう。 問題は完璧にテリーに反発しているスタッフだ。 帰りに焼鳥屋へ立ち寄り、この番組は思い切った強化策をとる、と切り出すとM君は、怪訝な顔をしていた。 カメラ、音声、VTR課の課長がすべてスクラムを組みスタッフを出さない事になっている。 ひかるが部長命令を出したとしても社内事情は無理だと分かりきっている。 業界にはボツボツフリーでやっている人がいるはずだ、彼たちを動員しよう、と言うと、やったー、と膝を叩いて納得。さすが、

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           1128 立ち往生

          テリー伊藤君の若き頃を書いてみよう。 彼は学生運動の火炎ビンで斜視になった、と他のブログで書いてあったので書くが、卒業直後タケシの元気が出るテレビのディレクターだった。 勿論番組作りは初めてで、ロケの技術を受注したのがひかる。 スタート時、テリーはあまりにも番組作りを知らな過ぎる。 番組にならない、とスタッフが総スカン、立ち往生してしまったのである。 Mカメラマンにはゴールデン番組なので決して手を抜かないよう指示はしていたが、とうとう彼ですら限界を超えた。 残るはひかるがロケ

           1128 立ち往生

           1127 さすが東大

          M君をここまで育て上げ、上司として心より感謝しています。実は私もM君の才能を高く評価しています。 彼に民放両局のゴールデン番組のチーフを張らせ自信を付けさせたい。民放ナンバーワンのカメラマンにし、世界に通用する人物に育てたい。 そして、その才能ノーハウは今後、必ずフジテレビの為に使います。と淡々としゃべったのである。 H氏はしばらく天を仰ぎ沈黙の後、いきなり立ち上がると、握手を求め、この話はなかった事にしよう、と言ったのである。 さすが東大出だな、とひかるは感じいった。 論争

           1127 さすが東大

          1125 人生の証

          我々が地上で生きられる時間は、大きな宇宙の営みから見た場合、まばたきの瞬間なのかも知れません。 例えまばたきの一瞬でも、地上に生を受け、鼓動が動き出した以上、この鼓動が動いている間、止まる前に、自分自身が生きていた、という証、足跡を残したい。 人々がひしめく大都会、巨大化した組織の中、これが自分の足跡だと言えるものは、なかなか見つけられません。 ひかるの場合、少年の頃見た夢に、人生の殆んどを費いやし、追い求め続けた、魔法の箱、テレビ少年物語、ブログそのもの自体が、ひかるの細や

          1125 人生の証

           1124 挑戦

          ひかるの、もの言わぬ少年時代を知る人は、これ程変身出来た人はいないだろう、何かあったのか、と聞かれますが、何もない。 ただ情熱のほと走るまま、人生の波を味方とし、知恵を使っただけだ、と。 抑圧された人間の悔しさが開き直る時、その悔しさの度合に応じ、変身出来るのです。 人生のチャンスという波が訪れた時、蓄えたエネルギーをバネとして使える生き方をして欲しい。 背伸びし切った生き方は、いつの日か息切れする事でしょう。 また、ひかるの場合、物事に挑戦する時、一つの思考パターンがある。

           1124 挑戦

           1123 傘をさすのは人間だけだ !

          イベントは晴天に恵まれ大成功。その会社の社長が「ひかると言う男、雨が降ろうが、やりが降ろうが、しっかり仕事をやり遂げる、一番信用出来る」と尾ひれを付けて回ったのである。 もっと大きな財産は、回りが全員風邪を引いていても、部屋中菌が充満していても、絶対と言っていいくらい、この男の体はまともじゃないのでは、と疑うほど、風邪を引かない、丈夫な体になったのだ。 そして言う「地上にいる動物の中で、雨が降ったからとて、傘をさすのは人間だけだ、雨なんぞ、負けるな」と。 母との約束で学校へ行

           1123 傘をさすのは人間だけだ !

          1122 大きな財産

          筋肉が付き、ビッコも徐々に目立たなくなり、勉強で他のいじめっ子を負かす事が出来る、と悟ったひかるは、必ず一番になる、と猛勉強をするように成った。 回りの家では、石油を一升瓶で買うが、貧しく二合瓶でしか買えない、小さなランプだが、父はひかるに明け渡し、細かい仕事を明るい内に済ませ、暗闇でせっせせっせかと内職をする。 子供の時の境遇は大人になってから、大きな財産と成る。 小中学を通し、どしゃ降りの雨に打たれた事は、いつの間にか苦痛ではなく、ひかるの中で、修行僧が滝に打たれる如く、

          1122 大きな財産