装甲機兵システム

 機械星が門外不出にしている軍事技術。人間に武器を装備させることなく、体内から兵器に変えることができる。約百年ほど前に発明され、以降天の川銀河系での機械星の拡大に大きく寄与している。

 装甲機兵の血管の中には金属の粒子が流れており、戦闘の時には外に出て擬似的な細胞に変化して分裂を起こし、巨大な装甲として人体を覆う。装甲と肉体は密着しており、金属粒子が細胞と骨をも作り替えて強大な力を付加え、凄まじい重量の体を軽々と操ることを可能としている。
 装甲自体にも自我が宿っているらしく、戦闘中に装着者の性格や顔立が変わるのはそこからの影響らしい。

 いざ変身を決意すると、金属粒子が心拍数や体温の微妙な変化を感じとり、手の平に電卓のようなボタンを形成する。そのボタンを一人一人違う方法で押すことによって変身する。
 変身を解除する際には金属細胞がアポトーシスを起こして急激に収縮し、皮膚に空いた微弱な孔から体内にもう一度潜込む構造になっている。その間には百分の一秒ほどしかかからない。

 機械星が保有している装甲機兵は数百万人で、その中には志願してなった人間もいれば生れつき装甲機兵として誕生した人間もいる。

 ゆきは他の惑星の罪人の娘であり、処刑を逃れるために装甲機兵になった過去がある。もっともそれをみうには隠している。