国総(教養区分) ②第一次試験

前回のnoteはこちら↓

それでは以下では第一次試験について詳しく書いていきます。

【第一次試験】

①総合論文試験(午前) 配点: 8/28

最初に総合論文試験があります。この試験は2つの問題が出され、それに対して小論文を書くと言うものです。共に表裏で約1,600文字分の原稿が渡されます。

試験時間は4時間で、配点も全ての試験で最も重い8/28です。ただ必要以上に恐れる必要はなく、聞かれてることにちゃんと答えてそこまで論理が破綻していなければむちゃくちゃ低い点をつけられることはないと思います。僕は普段のNoteの延長線上のつもりで書きました。(点数は可もなく不可もなくでした)

ただ一次合格時にはこの試験の点数が全くみられてないだけで、蓋を開けてみたらこの試験での低得点が響いてギリギリ二次で不合格になってしまったと言う方も多いようです。

そのため先輩に論文を書く上で気をつけた方がいいこととして挙げられたのは、

・理想と現実のギャップを意識(環境問題やその他の社会問題について論じる問題が多いため)
・上のギャップを意識した上で、それを埋めるための方策を考える
・マクロからミクロへの流れを意識

です。もちろん社会課題に関するものだけでなく、例えば哲学・教養を問うような問題もあるのですが、それらに関してはあまり書くことに困らないと思います(よほど反倫理的でない限り多分OK)。

僕もそうでしたが、この4時間の試験は長丁場なので途中でトイレに行く人や早めに切り上げて途中退出する人も多いです。早めに終わらせるメリットとしては、午後の択一試験に向けて多めに休みを取れることが挙げられます。(最後まで時間を使うと休み時間は30分くらいしかありません。)

②択一試験 配点: 5/28

前のnoteで書いた通り、一次試験の足切りが決まる試験がこの択一試験です。というか一次試験の足切りでメチャクチャ絞って二次試験はそんなに絞らないので実質合否を8割左右する超重要試験です。

ですが、まずそれぞれの分野の説明をする前に、大切な注意点が一つあります。

それは、

教養区分の択一試験の過去問は書店で販売されていない

ということです。

こいつに騙されるな(多分僕以外は騙されてない)

ありがちな勘違い(というか僕がやらかした勘違い)として、全国の書店で見つけられる上の過去問を「教養区分」の択一試験の過去問と勘違いしてしまう人がいるそうです。しかし、

この『過去問500』は、「専門区分(春試験)」の択一試験の過去問のみを収録したものです。科目や分野などは大体同じですが、難易度が違います。教養区分の択一試験の問題の方がさらに難しいです。

そのため似たような過去問で演習をしても本番で歯が立たずパニクる恐れがあるため、教養区分の過去問を入手することが必要不可欠です。しかし、この過去問の入手方法もやや面倒くさい上に時間がかかります。(1ヶ月半ほどかかる)

具体的な過去問入手のざっくりとした手順としては
人事院開示請求電子申請システム窓口からオンライン申請
②「開示して良いか否か」を知らせる通知が来る
③開示してもらえる事を確認した上で改めて開示を要求
④過去問が送られてくる。

個人的には②→③の手続き要らなくね‥?と思わなくもないですが、このような時間のかかる手続きが必要である以上早めに手続きをしておくことが望ましいと思います。

情報公開制度ご利用の案内

↑上記①の人事院開示請求電子申請システム窓口(人事院によるページ)のリンクです。ここから申請ができます。詳しい手順もこのページを参照してください。

それでは以下で各試験分野の説明をして行きます。

⚪︎I部(知能分野) 配点: 3/28

おそらく多くの人にとって最初の鬼門となるのがこの試験です。主に処理速度の速さが問われる試験です。毎年2時間で24題時間はメチャクチャタイトです。基本的に終わりません。例年の内訳としては

英文5題、現代文3題、グラフ・表の読み取り2題、残り16題が「判断推理・数的推理

です。
英文・現代文は1ページくらいの文章を読んで正しい選択肢を選ぶ普通の問題で、グラフの読み取りも(やや面倒臭いですが)比較的簡単に終わります。この2種類は慣れさえすれば比較的短時間で終わりますが、少し気を抜くと一気に時間が削がれてしまう上に、確実に高得点を取りたい分野なのである程度慎重さが必要です。(どの問題も1題5分以内で終わらせる感じです。)

問題は判断推理・数的推理の分野で、この対策で多くの人が苦しみます。
判断推理とは論理パズルのようなもので、東大王とかの本に載ってる「A〜Dの中で、嘘をついてるのは誰?」みたいなのを少し面倒臭くしたような問題がウジャウジャ出ます。

問題例(人事院サイトで公開されてます)

これに関してはとにかく時間を食うしドツボにハマりやすいです。僕自身も「小さい頃からパズル本読んでたし余裕でしょ!」等と思ってたらマジで歯が立ちませんでした。
パズルっぽい問題なので、地頭力で全てが決まりそうな気もしますが、ちゃんと対策をすれば解ける問題数は増えていきます。頻出のパターンも多いので訓練を繰り返していくうちに短時間で処理したりミスの頻度を下げたりして得点を上げることも可能です。

僕は上の参考書を使いまくりました。他にも有名な参考書はたくさん出ているので、早めに対策したい人は本屋で今のうちに探すのも手だと思います。

問題を解く順番は人それぞれですが、先輩から聞いた(僕自身も同じやり方でした)解き方としては

①現代文・英文の8題を一題5分(40分)で解く
②図・グラフの問題2題を10分で解く
(→①②で8〜9割を安定して取る)
③残り70分で数的推理・判断推理の16題のうち解けそうなものを選んで半分くらい正答を目指す

こんな感じで解くと良いと言われました。特に③の判断推理・数的推理はドツボにハマらないように「5分経っても糸口が見つからなければ飛ばす」などとルールを作っていました(意外とこのルールを決めておかないとすぐドツボにハマってしまいかねない‥と個人的には思います)。

ちなみに僕自身は本番の直前に気合を入れてレッドブルをガブ飲みしたら試験中に猛烈にトイレに行きたくなり、トイレに行けるようになる試験開始30分経過時まで尿意を我慢しつつ時間が超タイトな中英文を処理しまくる、という何ともバカな形で追い詰められました。(結果的に追い詰められて「過集中」状態になり自己ベストを叩き出しましたが‥)
早めに対策していればこんなふうに変に気負ってミスすることもないと思います‥。

⚪︎II部(知識分野) 配点:2/28

試験時間は90分で30題。しかしこちらは一問に掛ける時間が少ないので、I部と違い時間はそこまでタイトではありません。そして最初に述べた通り、「知識」問題と言っても、高校レベルまでの知識で解ける問題もたくさんあります。

ただし、基本的に理科も社会も含めて、文系理系を問わず全分野から出題されます。社会では日本史、世界史、地理、倫理、理科では物理、化学、生物、地学、さらに人文・芸術系からも出題があります。もちろん全て必答問題です。
大学受験で理系の人は主に社会+生物や地学などで、文系の人は理科全般の知識をある程度頑張って一通りなぞっておく必要があります。

また、高校レベルを超えた部分からの出題もあります。これは専門的ではありませんが、例えば時事問題についてかなり突っ込んだ出題が毎年5題ほどあります。
また、法律・政治・経済などの基礎的な内容に関する「社会科学」に関する問題が(春試験よりかは専門的ではないが)毎年10題ほど出ます。比率も高く、初学部分も多いのでここの対策は早めに始めても良いかもしれません。

つまりこの分野に関しては
・理科&社会の受験でやってない科目
・時事
・社会科学

の分野を参考書などである程度詰めておく必要があります。

ただ正直このII部に関しては、配点も低いしI部より対策が疎かになる事も多いです。また問題も難しいので平均点も高くはなく、高得点を取れる人もI部以上に少ないイメージです。(30問中20問以上取れたら超すごいレベル)
一方で、本気で詰めようと思ったら相当時間が掛かる一方、他と大きな差を作ることができるとも言えます。速攻で伸ばすのが難しいという意味では最もこの時期から始めることへの効果が大きい分野かもしれません。

参考書はめちゃくちゃあるので本屋で見てください。僕は下のシリーズものを使ってました。

また、時事問題については「速攻の時事」を使っていました↓(来年度バージョンが出たら買うべきだと思います。)

次のnoteでは二次試験の説明をします!
次のnoteはこちら↓


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