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梅団地がある街 郡山

 郡山市内には、スマートインターチェンジも含め、5つのインターチェンジがあります。福島県内では「いわき市」にも5つありますが、これだけのインターチェンジがあるのは珍しいのではないかと考えています(新潟市はもっと多いようです)。
 郡山、郡山中央、郡山南、郡山東、磐梯熱海という名称になりますが、このうち、郡山東に関する話をします。

 インターチェンジを造り、維持管理していくのにもコストがかかりますので、東日本高速道路株式会社(ネクスコ)としても、そこらかしこに造るわけにはいかないのです。この郡山東の周辺は、それほど人口が密集しているわけでもなく、商工業の事業者による利用が見込めそうもなく、ネクスコでは、インターチェンジを造りたく無いと考えていたようです。

 しかし、郡山市民としては、
「インターチェンジを造って欲しい。何なら建設費用を負担しても良い」
というくらいのことを計画したのですが、ネクスコではNoという回答。ここで、郡山市民は、さらに智恵を出します。
「パンが無ければケーキを食べれば良いのよ」とばかりに
「利用者が見込めないのなら、利用者が増える街を造れば良いのよ」という発想で
「東インター予定地周辺に、『住宅団地』『工業団地』『流通団地』を整備します。そうすると利用者が増加しますので、あらかじめ郡山東インターを整備してください」
という企画を打ち出しました。また、ここで巧妙なのは、あくまでも事業主体は『民間企業』です。市はそれを支援します。という体制を整えたことです。

 これが、俗にいう「郡山東インターチェンジ整備に係る3団地構想(計画)」と言われるものになります。
 この企画を受け、将来的な利用者数を見込み、ネクスコでは東インターチェンジが整備されました。

 しかし、郡山東インターチェンジは整備されましたが3団地構想は頓挫し、計画は霧散しました。結果から言えば「ネクスコが騙された」ようにも見えます。
 また、地元の方々の会話で「三団地構想」の話が出ることがありますが、時代の流れとともに、市職員でさえもこの話を知る者が少なくなりつつある状況がちょっと哀しいので、ここに稿を起こしました。
 おそらく、正式な市の記録には記載されることがない、影の歴史のような話になります。
 そして、東インターチェンジの近くにある「西田町」の「梅団地」では、春になると山一杯に梅が咲き誇り、美しい花、素晴らしい香を愉しませてくれます。

 三団地 夢から覚めて 梅香る

 という感じでしょうか。春の桜も良いですが、郡山市西田町の「梅団地」も皆さんに訪れて欲しいスポットです。「杉の木は残った」ならぬ「梅団地は残った」話でした。
 


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