福島太郎@文学フリマ東京38 え-05

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福島太郎@文学フリマ東京38 え-05

徒然なるままに、日々考えていること、創作物語や、Kindle出版している作品、猫の話など好きなことを好きなときに好きなように綴ります。 毎日投稿はしていませんが、ほぼ毎日います。 co-bakoriyama出身のKindle作家と称しています。

マガジン

  • 銀山町 妖精綺譚のアラカルトです

    「銀山町 妖精綺譚」という創作物語が生まれるまでの過程を、書き散らかしていきます。

  • 駄文屋の独り言

    当初は他のマガジンに入らない、「シリーズ化できない話」、noteの「お題」に挑戦したのも、こちらに。ということでしたが、他のシリーズものは、ほぼ動かない状況ですので、このマガジンだけ更新中です。11月27日にタイトルを変更しました。「太郎さん」→「駄文屋」です。

  • 金山町 レポート

    「銀山町 妖精綺譚」という物語のモチーフとさせていただいた「福島県大沼郡 金山町(かねやままち)」に関連する記事です。

  • 創作大賞2024用 銀山町 妖精綺譚

    創作大賞用2024にエントリーした「銀山町 妖精綺譚」の原稿です。

  • 著作にいただいた感想です

    note街の皆様が、著書を読んでいただいた感想をまとめたマガジンです。 単独の記事も入れています。他人には駄文でも可愛い作品なのです。 note街の方々の優しさをまとめたマガジンとも言えるかもしれません。 マガジンの作成が遅いため、記事に気づくことができず、漏れがありましたら教えてください。鋭意追加していきます。

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介に代えて

 2020年4月からnoteで活動しています。  齢54、福島県在住で地方自治体に勤務しています。  福島太郎という名前は、note用やSNS用のハンドル(ペン)ネームです。福島県に生きる者として活動したく「福島」、役所の申請書の記載例のイメージから「太郎」としました。  もともとnoteは「公務員のタマゴに伝えたい話」(公タマ伝)という本を発刊するための文章修行として始めましたが、公タマ伝発刊後もnote街に住み続けながら、日常の出来事を投稿したり、偶に創作したり、kin

    • 作者ですが知りませんでした

       拙著「銀山町 妖精綺譚」の終盤で主人公が心の中で(これが最後の辞令か)と呟く場面で私は違和感を抱いていました。 「あれっ、田中さんはまだ55歳だよね、もう1回くらい異動があるんじゃない」 と思いながらも、登場人物が自ら呟いた言葉を尊重してセリフを削ることなく 「あ、あれか役場のNO.2の企画課長にはなったけどNO.1の総務課長にはなれないから最後の辞令ということですか」 と、自分を納得させていたのです。  ところがところがKindle出版も終えた4月下旬になって田中から教え

      • 金山町訪問(令和6年4月27日)

         国道49号線から沼田街道を南下していくと、柳津町、三島町を経て金山町に入ります。  三度目の正直で「妖精美術館」を観覧、今年度は本日から開館ということでその初日に訪問してまいりました。  スタッフの方に「撮影の及びSNS投稿の可否」について確認したところ 「撮影は作品に近接と一部作品が不可。SNSはハッシュタグをつけること」 ということでした。忘れないうちにハッシュタグ #妖精美術館2024 #金山町 #妖精と魔法展  それでは妖精美術館の写真をいくつか  スタッフの方

        • 【創作】夢幻峡(妖精綺譚外伝) #シロクマ文芸部 

          こちらの企画に参加です。 (本文)  春の夢幻峡はひときわ美しい。只見川を前にした田中の口から思わず感嘆の声が漏れた。  福島県銀山町では全域に渡り只見川が流れていて山間でもあることから霧に覆われることも多く、いつの頃からか「夢幻峡」と称されていた。  その名を知らないまま平成3年に銀山町に引っ越してきた田中だったが、もしかしたら最初の春からその美しさに見惚れていたのかもしれない。  山と川、雪と霧が醸す風景は田中だけではなく見る者全てを魅了する美しさだった。  「課長、

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        • 郡山アラカルト
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        記事

          銀山町 妖精綺譚の「14話 エピローグ」で、自分の中でスッキリしない場面があったのですが、加筆して納得できました。 この一文で引き締まった気がします。 『田中の定年にはまだ数年あるが、退職勧奨に応じ今年度一杯で退職するつもりでいた。高橋が社長を務める企業に転職する予定なのである』

          銀山町 妖精綺譚の「14話 エピローグ」で、自分の中でスッキリしない場面があったのですが、加筆して納得できました。 この一文で引き締まった気がします。 『田中の定年にはまだ数年あるが、退職勧奨に応じ今年度一杯で退職するつもりでいた。高橋が社長を務める企業に転職する予定なのである』

          負け戦 一考(改)

          私の大好きな台詞として 「また、負け戦だったか」 というものがあります。  映画「七人の侍」の台詞が元になっておりますので、ネタばれをしないようにしたいと思いますが「七度出戦して、七度敗戦している」ということが前提になっています。このような背景があることから「負け戦」の前に「また」が付くことになります。 (ここから先、少しネタばれ要素がありますので、これから映画を観たいと考える方は、ここでお止めください)  負けてばかりの侍ということで「七度」のエピソードを紹介する

          妖精綺譚の細かいギミック

           ネタバレはありません。安心してお読みください。「銀山町 妖精綺譚」の本編では主人公が活動する場面を  役所の中→役所の外→役所の中→役所の外 となるよう意識しておりました。  これは物語のリズムを醸したいという思いと 「公務員のタマゴに伝えたい」思いとして 「世の中は役所の中だけて動いているんじゃない。役所の理屈だけでは通らない」 ということを事象化することに挑戦したものになります。  上手に事象化できていないという自覚はありますが挑戦し作品として完成させたこと、こうし

          妖精綺譚の細かいギミック

          銀山町 妖精綺譚(第16話)

          外伝二 高齢者福祉センター(平成元年 秋) 「渡部君って変わっているよね」 という話が話題になるのは、あっという間だったが、自然なことでもあった。  平成元年四月に開館した「高齢者福祉センター」。これまでの銀山町には無かったディサービス機能を中心に、お風呂、集会室、機能訓練室などを備えた施設であり、高齢化が進む銀山町の「シルバーユートピア構想」の中核、と言えば聞こえが良いが、影では「町中にある姥捨て山」とも揶揄される施設なので、運営を委託された社会福祉協議会職員は、誰もが高

          銀山町 妖精綺譚(第16話)

          銀山町 妖精綺譚(第15話)

          外伝一 町長室(平成二年 秋)  軽くノックをしてから、総務課長の木村は町長室に入室した。係長の宗像を同席させず、自分一人が呼ばれたということは、進捗が遅れているアノ事業の話で、内容が重たくなると予想できたため、緊張で体が強張っていた。 「木村課長、忙しいところをお呼びして申し訳ない。呼ばれた理由は予想していると思うが、一年先送りにした『ふるさと創生事業』のことだ」 木村は深々と頭を下げて謝罪した。 「申し訳ございません。当町に相応しい事業を実施すべく慎重に検討を進めてまい

          銀山町 妖精綺譚(第15話)

          銀山町 妖精綺譚(第14話)

          エピローグ 銀山町 妖精綺譚  平成五年六月十八日 福島県大沼郡銀山町に、日本で初めてとなる妖精をテーマにした美術館が開館した。  開館式では、宇都宮大教授に昇格した稲村久美子名誉館長の記念講演が花を添えた。開館式の進行が一段落ついたところで、高橋が田中に尋ねた。 「皆は気づいていないようだが、正面入口の上にある看板、当初の設計と違うよな。いつ仕様を変更した」 「変わっていましたか。気づきませんでした」 「妖精美術館の文字の上に『稲村久美子』の文字がある。まるで稲村先生の美

          銀山町 妖精綺譚(第14話)

          銀山町 妖精綺譚(第13話)

          第十二章 銀山湖     平成四年七月、妖精美術館の建設予定地を高橋と田中は訪れていた。普段は静かな銀山湖の湖畔で、大きな音を出しながら大型の重機が縦横に動く造成工事が行われていた。  遠目に施工管理をしている武藤の姿が確認できた。 「来年にはここに妖精美術館が建っているんだな。稲村先生から寄付していただけるコレクションのリスト化も終えたようだし、田中さん本当に世話になった」 「自分で言うのもアレですけど、とんでもない仕事でしたね。濃い一年でした」 「この事業のために転職を

          銀山町 妖精綺譚(第13話)

          銀山町 妖精綺譚(第12話)

          第十一章 銀山町役場   週明けの月曜日、高橋からの報告を受けた飯田は目を真ん丸にして驚いた。 「本当に、稲村先生のコレクションを無償で寄付していただけるのか。何か裏があるんじゃないか。館長として就任したいとか、施設名に名前を入れて欲しいとか。その辺りの条件提示はどうだった」 「今後詳細を詰める中で、何かしらの条件を提示される可能性は否定できませんが、土曜日の感触としては、全くの善意で条件無しでした。田中が送っていた町の風景写真をご覧になり、銀山町を非常に気にいっていただけ

          銀山町 妖精綺譚(第12話)

          銀山町 妖精綺譚(第11話)

          第十章 宇都宮大学  宇都宮大学校舎の正面入口に場所にある事務室で、受付に出た女性に来訪の旨を告げると、受付票に所属・名前の記入を求められ、案内が来るまで待つように指示された。 「いい大人なんだから、場所を教えてもらえれば行けると思うんですけどね」 田中が小声で呟いたが高橋は何も答えなかった。程なくして細身で髪が腰まである女性が二人に近づいてきた。学生にしては落ち着いて見えた。 「銀山町役場の高橋さんでよろしいでしょうか。須藤と申します、先生の研究のお手伝いをしています。ご

          銀山町 妖精綺譚(第11話)

          銀山町 妖精綺譚(第10話)

          第九章 宝くじ  出勤前に妻に言われた言葉が高橋の心を重くしていた。 「顔色が悪いわ。体調悪いんじゃないの」 体調は悪く無いと思う。ただ妖精美術館の展示品について、何の打開策も浮かばないことが気持ちを重くしていた。若者定住会議は半沢のおかげで乗り切れたが、事態は全く好転していない。破綻へのレールは引かれたままだった。  出勤してきた田中はケロっとしていて、これが若者の特権ということなのかと羨ましく感じた。 「朝から何ですが、妖精美術館の展示品ことで話をして良いですか。先週の

          銀山町 妖精綺譚(第10話)

          銀山町 妖精綺譚(第9話)

          第八章 大暴走  第一回会議と同じ机の配置と人員だが、第三回会議は終始穏やかな雰囲気で進んでいた。 「以上のとおり妖精美術館を中心とし、展望台、小路の整備などのハード事業。さらにソフト事業として町内向けには ・民話・伝承語り部の育成 ・子どもたちによる妖精のシンボルイラスト公募とイラスト展 ・子どもたちによる創作フェアリーダンス  また交流人口から定住人口の増加を目的とした町外向けには ・フェアリーファンクラブとして会員を募集し  妖精の里住民票の発行、フェアリーレター(観

          銀山町 妖精綺譚(第9話)

          銀山町 妖精綺譚(第8話)

          第七章 ライトスタッフ  ゴールデンウィーク明けの火曜日、出勤してきた田中に高橋が感嘆の声をあげた。 「よく妖精美術館なんて発想が出たなあ。妻も感心していた。是非観たいそうだ」 「そんな褒められるような話じゃなくて、半沢さんに『メイン事業』って詰められた時に、『郡山市が英国美術を中心とした美術館を建設する』という話を偶々思い出して『妖精美術館』って言葉が出ました。出まかせみたいなものです」  高橋は目を丸くしながら考えた(確かにそんな新聞記事を読んだ気がする。けどそこから妖

          銀山町 妖精綺譚(第8話)