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【企画参加】#わたしのかばん

 こちらの企画に参加です。

#わたしのかばん  
 私が昔使用していたブリーフバックの思い出です。今から遡ること約30余年の平成初期、私は神奈川大学第二法学部第二法律学科に通学していました。今は「第二学部」はありませんし当時もマイナーな存在でしたのでその意味を知る人は少ないと思います。神奈川大学では「夜間大学」の正式名称に「第二」を付けていました。
 当時の私は勤労学生として「働きながら夜間大学」に通学しておりました。

 職場は「横浜市中区」、住まいは「横浜市西区」、神奈川大学は(当時は)「神奈川区」にありましたので、職住学が近接しているのが有難く、薄いブリーフバックに大学用の資料を詰め込み出勤し、仕事を終えると大学に向かっていました。
 同僚は手ぶらで職場に通勤していましたので少し「異色」の存在で
『なんだ、その鞄。何を入れてるんだ』
ということを聞かれることもありましたが
「夢と希望かな」
と嘯いていました。

 夜間大学に通学した理由はいくつかありますが、その一つは「教師」を目指していたからでした。自分が尊敬している「学校の先生」のように、人を導き成長させる職業に憧れていました。
 が挫折しました。カリキュラムの負担や教員採用試験の厳しさという現実の前に「学校の先生になる」という「夢と希望」を手放すことを選択しました。大学三年の春に「教職課程」を選択したものの夏には授業を欠席するようになりました。

 通学には変わらず同じ鞄を使用していました。薄っぺらい鞄に学生証とノートを入れて大学に通い続けました。教職という夢は失ったとしても大学は卒業しなければと考えていたのです、我ながら真面目なものです。
 失意のうちに仕事と通学を続ける中、私の中で新しい夢が生まれ育ち始めました。
『生まれ育った故郷のために力を尽くしたい』
縁もゆかりもない横浜で暮らしていくよりも、横浜で学び成長した力を故郷のために使いたい。そんなことを考え、大学卒業を前に故郷で働く道を探し、運よく地元で働けることになりました。

 その頃使っていた鞄は役割を終え、今は三代目になるブリーフバックを使用しています。全然お洒落ではない実用一点張りの黒い鞄で、仕事で使うことはなく、プライベートの時間にノートパソコンを入れて使用していることが多いです。その他には名刺とペンくらいしか入っていません。
 もし知り合いに『なんだ、その鞄。何を入れてるんだ』と聞かれたら
「夢と希望かな」
と応えます。
 今の鞄は「kindle作家 福島太郎」の相棒として、一緒に取材に行き、蒐集した資料を運び、出先で入力した原稿を自宅まで運んでくれています。

 この鞄は現役を退かなければならないくらいくたびれていますので、一緒に過ごす時間はもう少しだけだと考えています。
 けど、万が一書き手として「授賞式」という華やかな舞台に登る機会をいただけたとしたら、この地味な鞄を連れていきたい考えています。
 この鞄には一生「夢と希望」を詰め込んだままにするつもりです。

#何を書いても最後は宣伝
 というか「企画に参加しても最後は宣伝」。福島太郎は「創作大賞」に応募しています。こちらの「銀山町 妖精綺譚」と「会津ワイン 黎明綺譚」です。

 落選するまでは、夢を見続けます。

サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。  皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。