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【創作SS】アナログ巌流島 #毎週ショートショートnote

 市長は議場で熱弁を奮った。
「巌流島は観光資源だけではなく、貴重な文化資源と認識しております。市としては巌流島関連の資料等を保存する責務があることから「巌流島ミュージアム」の設立を提案するものであり、議員皆さまに御検討賜りますようお願いするものであります」
 与党議員からの大きな拍手と、野党議員からの怒号と罵声が響いた。
「税金の無駄づかい、反対」
「天下り先を作るの反対」
「談合阻止」

 僕はネットで傍聴しながら言葉を書き出す。ある程度の質問・回答は想定して準備しているけど、議員の声を踏まえた追加資料を作成する必要があるからだ。事務量を考えると気が滅入る。
「係長、今日も残業ですかね」
隣の席にいる係員が不安と不満が入り混じる質問をしてくる。
「悪いが一緒に頼む。上の人は資料がポンと出てくると考えているけど、実体は市長対野党の「巌流島決戦」へのアナログ作業だな」
 口の中に苦いものが込み上げてきた。今日のうちに帰れるかな。
(本文ここまで)
※本作品はフィクションです。実在の自治体や職員とは関係ないことを申し添えます。

 たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】、お題「アナログ巌流島」に参加です。
#毎週ショートショートnote

https://note.com/tarahakani/n/ne8e7e3798c6e

 お気づきの方はいらっしゃらないと思いますが、先週のお題には不参加でした。ここのところ「書かなきゃ」という義務的な気持ちが高まっていましたので、意図的に休憩しました。
 私の感覚になりますが「書かなきゃ」が強くなると「楽しさ」が薄れてしまうのです。そんなこともありnoteの投稿も2日ほどお休みしていました。

 「学校のカイダン」シリーズで熱くなった気持ちを静めるということもありました。

 これは書いていて、楽しゅうございました。何が楽しいかと申しますと、他の方からいただいたコメントを受けて、物語が思いもよらない方向にのびていきました。
 最初は1話だけのつもりが、全4話になり、しかも「学校のカイダン」というタイトルを最終話で回収するということができ、楽しかったです。

 また、楽しかったと言えば

 こちらの作品に「mikuji58」さんが作品を重ねてくださいました。

 これがまた、良い作品でして、嬉しくて独りニヤニヤしてしまいました。
mikuji58さん、ありがとうございました。

 福島文学とは、交流から生まれる変化、挑戦、そして成長

を実感できたような嬉しさがありました。交流していただいている皆様に、あらためて感謝申し上げます。
#何を書いても最後は宣伝
 私とmikuji58さんの「ガラスの手」のように、一つの事象を男女の視点から書き上げた物語と言えば、こちらになります。


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