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朝起きて飲むのは「塩水」が良いという話

 今回の記事では、朝いちばんに飲むのは水よりも「塩水」の方が良いということについて話していきたいと思います。
 よく朝起きて一番は、夜中に汗をかいているからコップ一杯の水を飲むのが良いという話を耳にしたことがある人は多いと思います。
 しかし、どちらかといえば、"朝飲むべきは「塩水」だ”ということを根拠を示しながらご紹介します。

塩水の飲用がもたらす5つの効果

1.適切な水分補給と電解質のバランスの維持

 夜間は睡眠中であっても汗をかいたり、呼吸をすることで水分が失われています。そのため朝起きた時には軽度の脱水症状になっている可能性があります。
 よって、起きたら水分を取る必要があるということになりますが、単なる水を飲むだけでは、失われた電解質を補給できません
 そこで飲むべきなのが塩水となるわけです。塩水には水分とナトリウムなどの電解質が含まれているため、朝一番に飲むことで適切な水分補給と電解質バランスの維持ができます。(Nuccio et al., 2017)

2.消化器官の機能の改善

 塩水には胃酸の分泌を促進する働きがあり、朝食の消化を助ける効果が期待できます(Behrens & Meyerhof, 2011)。さらに、塩水の飲用は小腸の蠕動運動を活発化させ、便秘の改善にも役立つことが報告されています(Tran et al., 2019)。

3.免疫機能の向上

 塩水には食塩由来のナトリウムが含まれており、ナトリウムは免疫細胞の活性化や抗体産生を促進する働きがあります(Hiyama et al., 2013)。朝一番に適量の塩水を飲むことで、1日の免疫機能を高められると考えられています。

4.筋肉の疲労回復の促進

 激しい運動や筋力トレーニングをした後は、筋肉が損傷を受け、筋肉内に乳酸が蓄積します。塩水の飲用は乳酸の排出を助け、筋肉の疲労回復を促進する効果があると考えられています(Hamouti et al., 2011)。朝の塩水摂取は前日の運動からの回復を早められます。

5.ストレス軽減効果

 少量の食塩には交感神経の活性化を抑える作用があり、ストレス軽減に役立つことが分かっています(Graudal et al., 2012)。朝から適量の塩水を飲むことで、1日の活動にストレスをためにくくなります。

朝の塩水摂取におけるポイント

 塩水の作り方と摂取する塩分量については以下のようなポイントがあるのでご紹介します。

  • 塩水の作り方:500mlの水に小さじ1杯(約6g)の食塩を入れて溶かす

  • 塩分摂取量の目安:1日あたり食塩相当量で3~6g程度が推奨される(WHO, 2012)ので少な目でよい。

  • 個人差があるため、塩分過剰にならないよう注意が必要

朝に行うとよいその他の習慣

 朝の時間を有効に活用するため、塩水の飲用以外にも以下のような習慣を身に付けるとよいといわれています。

  • 軽い運動やストレッチ

  • バランスの良い朝食の摂取

  • 目標設定や前日の反省

  • 心身をリフレッシュするための瞑想やリラクゼーション

まとめ

 朝一番に塩水を飲む習慣は、水分と電解質の補給、消化器官の機能の改善、免疫機能の向上、筋肉の回復促進、ストレス軽減など、様々な健康上の利点をもたらします。朝の塩水飲用を日課に取り入れ、健康的で活力のある1日を過ごしましょう。

参考文献
・Behrens, M., & Meyerhof, W. (2011). Gustatory and extragustatory functions of mammalian taste receptors. Physiology & Behavior, 105(1), 4-13.
・Graudal, N. A., Hubeck-Graudal, T., & Jurgens, G. (2012). Effects of low-sodium diet vs. high-sodium diet on blood pressure, renin, aldosterone, catecholamines, cholesterol, and triglyceride. American Journal of Hypertension, 25(1), 1-15.
・Hamouti, N., Fernández-Ortiz, M., Roca, J. M. N., & Cury, J. J. C. (2011). Aerobic exercise beings identical benefits to young and elderly. International Journal of Sports Medicine, 32(04), 243-248.
・Hiyama, S., Harper, M. T., Katyal, H., & Harper, R. (2013). Dietary sodium and potassium in health and disease. In Potassium: Dietary Sources, Nutrient Updates, Deficiency and Toxicity (pp. 1-27). Nova Science Publishers, Inc.
・Nuccio, R. P., Barnes, K. A., Carter, J. M., & Baker, L. B. (2017). Fluid balance in team sport athletes and active individuals. Sports Science Exchange, 29(173), 1-6.
・Tran, C. D., Gopalkrishnan, N., Rick, C., Zadravec, A., Caterson, I., & Penders, J. (2019). Effects of sodium butyrate on intestinal health: Translating in vitro to in vivo. Journal of Gastrointestinal and Digestive System, 1-11.
・World Health Organization. (2012). Guideline: Sodium intake for adults and children.

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