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試合撮影のルールとチェックポイント

開幕日が見えてきませんね…。写真を練習する期間だと自分に言い聞かせてカメラをいじっています。

せっかくの機会なので、開幕してしまうとなかなか手が回らなくなる「事前準備」についてまとめておこうと思います。わざわざ書くことでもないかなと思ったんですが、球場でカメラマンの間でトラブルになる「フラッシュ」や「AF補助光」については、ご一読いただいておくと後々役に立つかなと。自分には関係ないと思っていてもオートモードで撮影する場合は意図せず点灯したりする機能なので、ぜひ一度読んでいただけたらと思います。

機材をチェックしよう

貴重な時間をいただいておきながら当たり前のことを書いてすみません。私の実体験で、初めての撮影で失敗したので自戒も込めて書きます。

・ボディ
・レンズ
充電したバッテリー
・SDカード

最低限この4つがあれば大丈夫です。なんならSDカードは忘れたらドームに向かう道中で買ったっていいんです。ただ、ペイペイドームやタマホームスタジアム筑後の最寄りのコンビニにはどういうわけか置いていないので注意してください。「近くで買えばいいや」とドームに向かって歩いていると、ドームに近いコンビニほど、SDカードではなくおにぎりとお茶が充実していきます。そりゃそうですよね、私がコンビニのオーナーでもそうすると思います。

私がやらかしたのは「バッテリー」。工場出荷したての新品はほとんど充電されていないというのは家電を買ったことがある方なら周知のことかと思います。もちろん、私も買ったその日にバッテリーを充電器に接続して翌日の観戦に備えました。翌日、一晩バッテリーを充電していたことだし、大丈夫だろうとそのままカメラに入れてドームへ。プレイボールが言い渡される中、入らないカメラの電源。なぜ。

充電器そのもののコンセントが入っていなかった等ではなく、CANONの場合 初回充電に限り、正常に充電ができていないことがあります。言われてみれば、オレンジの灯りが付きっぱなしになっていました。通常ならオレンジの灯りが点灯するor緑色の灯りが付きっぱなしになります。新品バッテリー充電時に起こる、オレンジの灯りが付きっぱなしは要注意です。

あとから説明書を読んで、何度かバッテリーを抜き差しすると、ようやく灯りが正常に点滅しはじめて充電ができました。家で一度充電ができたかどうか確認していれば…という失敗談です。せっかくお金と体力(ここ大事)を使ってドームに出向くので、事前準備は怠りなく。

むしろ事前準備しすぎてバッテリーがこういうことになっていますが、きっと大は小を兼ねます。

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ちなみにバッテリーひとつを90%充電するのにかかる時間は平均90分、フル充電するのにかかる時間は2時間半~3時間くらいです。充電時間には余裕をもっておいたほうが安心です。

フラッシュの設定を確認しておく

2020年現在、球場の観客席から野球の試合を撮影することは暗黙の了解で認められていますが、「フラッシュを使っての撮影」は固く禁じられています。選手の視界に入ると試合進行に支障をきたすからです。

キャンプや試合前練習で点灯させてしまったファンが選手から怒られた光景も、2度ほど見かけました。トラウマにならないうちに、設定を知っておいた方が安心です。

設定したつもりになっていても、オートモードで撮影するとカメラが “良かれと思って勝手にフラッシュを炊く”ことがあります。電源を入れたり切ったりするたびに、設定は初期化されてしまうため、再び設定しないといけなくなります。「設定しておく」ではなく「設定を知っておく」と書いたのは、一度設定して終わりではないからです。

球場で見かねて注意したところ、「自分は点灯させていない」と言い張られることが多くて注意するこちら側の胃痛が絶えませんが、その人じゃなくても「その人のカメラが」点灯させているという現実があります。

これは、Canonのフラッシュ一覧表です。

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引用元:Canon Q&A (画像クリックで公式サイトに飛びます)

図の中でも特に見ていただきたいのがコチラ。

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オートモードで撮影すると、「初期設定」で発光します。おまけに、初期設定に気が付いて「発光禁止」にしたとします。

* 撮影モードを変えたり、電源スイッチを [ OFF ] にすると、初期設定に戻ります。

テストに出ます。ほとんどの人が「初期設定に戻っている」ことに気づいておらず、おまけにフラッシュが光っても写真に効果があらわれないので「自分じゃないのでは?」と疑うことなく無限にフラッシュを炊いてしまいます。

光ってしまった、そう思ったときは手っ取り早いのは「スポーツモード」にしてください。スポーツモードでは「発光禁止」が初期設定というだけでなく、発光するさせるすべがありません。自動発光も常時発光も選択しようがないのです。安心。球場でフラッシュついてますよと声をかけて不快なリアクションを返されたときはとりあえずダイヤルをカチッと回して差し上げた私でした。次からは自分でできるといいですねぇ。 #届け  

ちなみに、カメラについているフラッシュ(一応正式名称は内蔵ストロボといいます)を手動でパチンと閉じていても、設定が「発光」になっている限りは勝手にぴょこんと飛び上がって光るので、設定から変えてあげてください。ときどき、内蔵フラッシュがぴょこんと飛び出すことに耐え切れず手で押さえた猛者を見かけますが(キャンプとかで)、フラッシュは小さな雷が発生して光を起こしているため、押さえつけるとバチチッとなかなかの音がします。何度も押さえつけているとフラッシュ部分が熱を持ってきます。それ以上を試したことがある方を見たことが無いのでその先は知りませんが、設定を覚えておいてください。分かったつもりでも試合が白熱してくると「どこ押せばいいんだっけ」となる場合が多いので。

ちなみに、オートで撮りたい場合は画面の「Q」から「ストロボの発光」の設定を「発光禁止」に設定してください。オートで撮る限りは電源を入れたり切ったりする度に習慣化しておくことをオススメします。

ちなみに、余談です。カメラに搭載されているフラッシュの効果が届く範囲はせいぜい2m~5mです。(専門用語でいうとGN12程度。F5.6で撮影すると2mちょっとという計算になります)つまるところ、球場で内蔵フラッシュを炊いたところで写真に影響を与えることはなく、せいぜい数列先のおじさんの頭が反射するくらいでしょう。明るい写真のために「必要だから」フラッシュを炊くということも選択肢としてはありませんので、論破の余地はありません。ルールを守って、切りましょう。

AF補助光の設定を確認しておく

AF補助光と聞いてもピンと来ないと思います。いまこの文章を書きながら私も「カメラ 赤い光」と検索して、正式名称を知りました。

AFキャプチャ

引用元 Canon AF補助光を消す方法 (画像クリックで公式サイトに飛びます)

なにに使うかというと、暗い場所でピントを合わせるときに、ピントがここにありますよという目印になるよう、カメラが赤いレーザーを発します。見たことがない人のためにイメージをお伝えするとゲーム等で射撃するときにレーザーで的を照らしたりしますよね?あれです。

ミラーレスカメラでは特に搭載されていることが多いAF補助光。つけっぱなしだとなにが起こるかというと、ピントになる選手の顔面に赤いレーザーがちらちらと当たります。やられる側は不快ですよね。

AF0キャプチャ

引用元 Canon AF補助光を消す方法 (画像クリックで公式サイトに飛びます)

メニューから事前に「OFF」にしておきましょう。試合中はあまり目立ちませんが、キャンプや試合前練習でよく点灯しっぱなしのカメラマンを見かけます。ちなみに、Canonの場合スポーツモードにしておくと常時OFFになっています。不意に点灯してしまったら、迷わずスポーツモードに。

タリーランプの設定を確認しておく

タリーランプ、もしくはタリーライトと呼ばれます。動画を撮影される方に多いです。

映画やテレビの撮影現場で見かけるREC中に光る「赤いライト」のことです。フラッシュやAF補助光のように強い光を発しているわけではありませんが、トークイベントや会場の雰囲気が暗いときには目立ちますので「設定」から「タリー」の項目を確認してください。

※ムービー用カメラと異なり一眼レフカメラの場合はランプや項目が無い場合もあります。

ご自身はもちろん、自分が知っておけば周囲のフラッシュばっちばち炊いている人にも「オートモード」→「スポーツモード」に切り替えるだけでフラッシュもAF補助光も大概解決しますので、みんなで快適な野球観戦を…!

次回、ピントの合わせ方について書こうかと思います。公開までしばしお待ちください。



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