もうみんなで協力し合うしかない!

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そうちゃんが幼稚園の年中さんの頃まで、あるダム湖にこいのぼりを見に行っていました。ダム湖の向こう岸からこちらの岸までワイヤーを張り、たくさんのこいのぼりを吊るしてあって、大人に連れられた子どもたちがたくさん見に来ていました。

子どもはこいのぼりが大好きです😊私が現役の頃も、園の子どもたちは例外なくこいのぼりが大好きでした。

シーズンになると、こいのぼりを立てているお宅へこどもたちと散歩に行って、見せていただいていました。園の子どもの日の行事では、大きなこいのぼりの口からしっぽまでくぐりぬける遊びもしました。

子どもたちのヒーローとも言えるこいのぼりを、毎年ダム湖に見に行くのがそうちゃんの楽しみだったんですが、ある年の新聞にそのダム湖のこいのぼりの記事が載っていて、担い手不足と高齢化によりダム湖に安全にこいのぼりを渡すことができないため、来年からこいのぼりが無くなると書かれていました。

寂しいな…でも仕方ないんだと思いました。それからは、こいのぼりを立てているお宅のそばを車で通った時などに、ゆっくり通りながら見せてあげるくらいになりました。

最近の新聞の記事にも、地域の高齢の女性たちが手入れをして公開していた芝桜が、来年からは公開できないと書かれていました。高齢のため芝桜が咲く斜面の除草や花の手入れができなくなったと言う理由でした。

地方の山間部は高齢化が進み、顕著に人口が減少しています。大人も子どももあまりいません。児童生徒数が1桁と言う小学校や中学校は、数年後には閉校し離れた学校へ通うようになります。

仕方がないことなのかも知れませんが、地域に保育所や幼稚園・小中学校がなくなると言うことがどれほど寂しいことかと思います。

そうちゃんが釣りに行く『カマスの港』の近くにも小学校があります。私はその小学校が閉校していることをずっと知りませんでした。夏に行った時に、校庭や門の辺りに草が茂り、全く人の気配がしないのでネットで検索してみました。

すると、そうちゃんが生まれる数年前に閉校していたことを知ってとても驚きました。残されたこの地域の子どもたちは遠くの小学校へ通っているのでしょう。

人口は減り続け税収も少なくなり、人が分散して住めばインフラ整備のコストがかかるからと、なるべく都市部に集中して住むような世の中になっていくのでしょうか・・・。


あのダム湖のこいのぼりが復活することはもうないのかも知れませんが、少し離れた地域の若い方たちが、『そんな理由なら、いっちょがんばるか~!』なんて力を貸してくれてまた復活しないかなと密かに思っています。

みんなの力で賑わいが戻ったら素敵ですよね。子どもたちの嬉しそうな笑い声が山にこだまする日がまたきたらいいな・・・。

そうちゃん・はるちゃんへのはがきを書いた後、ミシンで縫い物をしながらそんなことを考えていました。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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