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Coachableってなんですか?

こんにちは。芹川です。㈱トラックレコードの共同代表で、Collaという愉快なプロダクトを作っています。

当社では少し前にバリューを設定しました。それぞれのバリューを解説する文章を社内向けに書いていたのですが、意外と社外の人にも役に立ちそうなので、公開することにしました。バリューは6つあるので、全6回シリーズを予定。

はじめに、当社のバリューはこれです。

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今回は第1回なので、特に特徴的と思われる"Coachable(コーチャブル)"について解説します。

Coachable(コーチャブル)の語源

この言葉の語源は、ビル・キャンベルの"Trillion Dollar Coach"(邦題:『一兆ドルコーチ』、正確に言うと著者はエリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグルの3名)という本で見つけてから、個人的にずっと気に入っていたものです。

名コーチであるビル・キャンベルをもってしても、Coachableでない人は力になれないと言っています。

トラックレコード社でも、Coachableであることは成果を出していく上でも、気持ちよく働けるチームを作っていくこと上でも非常に大事な資質だと考えています。

Coachableの意味

上述の"Trillion Dolla Coach"によれば、ビル・キャンベルはCoachableという言葉を以下のような内容で定義しています。

"The Traits of coachablity Bill sought were honesty and humility, the willingness to persevere and work hard, and a constant openness to learning."
「(ビルが求めた)coachableな人の特性とは、正直さや謙虚さ、やり抜く意思や勤勉さ、そしてオープンに学び続ける姿勢である」(芹川訳)

ざっくり言うと、「謙虚で素直な頑張り屋さん」ということでしょうか。

僕たちが考えているCoachableもだいたい同じ意味合いではありますが、特に重視しているいくつかのキーワードを説明します。

傾聴する

その言葉通りですが、傾聴する姿勢はcoachableであることの基盤です。

他者からの声に耳を傾け、他者の意見を受け止める姿勢は学習と成長を助けます。

傾聴するというのは、自分にとって不都合なことや耳の痛いことから目を背けないということであり、勇気の要ることです。僕たちはその勇気をとても大事にするし、評価します。

謙虚である

謙虚であることは、傾聴において耳を傾ける範囲を拡げます。

自分より圧倒的に実績や経験のある人からの意見に傾聴することは比較的簡単です。「顧客の声に耳を傾ける」ことも最近は一般的に価値が認められているので、感情的には受け入れやすいかもしれません。

一方で、自分の部下や後輩、10歳・20歳若い人の指摘に耳を傾けることはそれほど簡単ではないかもしれません。社員の部下の声は聞いているけど、アルバイトや派遣社員の声を聞こうとは思ったことがなかった、ということもあるかもしれません。

僕自身は、歳を重ねれば重ねるほど謙虚さが大事になってくると考えています。

多様性を受け入れる

最近よく言われるダイバーシティ&インクルージョン(Diversity and Inclusion)はトラックレコード社でも大事にしたい価値観ですが、これもCoachableという概念の中に含めて考えています(半ば無理矢理ではあるけれども)。

その理由は、多様性とは新しい価値観や視点を提供してくれるものだからです。多様性を包容することは、同質的な視点だけでは得られないような気づきを組織に与えてくれます。

多様性を受け入れることで、よりいろんな声に傾聴できるわけです。

Coachableであることはなぜ重要か

トラックレコード社でCoachableであることを重視する理由は大きく3つくらいあります

1) Coachableな人の方が成長しやすい

なんといっても素直で周囲の声を取り込む人は成長が早いと考えています(傾向として)。

学習して修正して変化していくのは早いに越したことはなく、頑固さで価値を出していくことは(そういうケースもあるけれども)難易度が高いのです。

僕らは経験の浅いうちは特に速い成長を求めるし、同時に速く成長できる環境を提供することを意識しています。

一方で、僕自身も含めて一定の経験を積んできた人たちは、老害にならないようにより強くCoachableであり続けることを意識しないといけないと常日頃から考えています。

2) 建設的で強いチームを作っていくために

トラックレコード社はわりとフラットな組織です。例えばプロダクト開発においてもプロダクト・マネージャー、デザイナー、エンジニアが密にディスカッションしながら意思決定をして進めています。

みんなで意見や知見を持ち寄り、最善の結論が採用される組織であり続けたいので、誰かが自分の意見に拘泥しすぎると建設的な議論がしにくくなります

そして、Coachableな人たちと一緒に仕事をするのは楽しいのです(重要)。
なので、僕らはCoachableでオープンな人と働きたい。

3) "Do the Right Thing"を実践していくために

僕らのもうひとつのバリュー"Do the Right Thing(正しいことをする)"を実践していく上でもCoachableであるという資質はとても大事です。

それは、「善き行いを続けるには、善き人でありたいと思うだけでは足りない」からです。

これは話すと長くなりそうなので、別で書きます。

マネージャーや上司目線から見たCoachable

ここまで見てきたとおり、Coachableの一側面としてよく言われる"素直さ"があります。採用基準でも、特に新卒採用などで「素直さ」を重視している会社は多いかもしれません。

「なんだよそれ? 言われたことに従うということか?」と思ったことが一度くらいあるかもしれませんが、全然そういう意味ではありません。

僕らが考えるCoachableな人・素直な人は上司の指示にただ従うイエスマンとは全然違います。

上司から見てCoachableな人は、1つインプットすると、自分で考え、すぐ行動して、インプット以上の改善や成長を見せてくれる人です。

要するに「打てば響く」のです。

『貞観政要』でも説かれるCoachableの重要さ

Coachableであることの重要性はビル・キャンベルさんが急に言いだしたわけではなく、古くは『貞観政要』にも似たようなことが書いてあります。

『貞観政要』は中国・唐の2代皇帝である李世民(太宗)の言行録のような本です。リーダーシップの教科書的なものです。

太宗は自分にとって都合の悪いことをいってくれる部下をそばに置き、部下からの諌言(かんげん、"苦言"のこと)を常に聞き続けたと言われています。

実際、太宗は魏徴という人物を重用し、諫議大夫という皇帝を諌めるための専門職に任命します。この魏徴という人物は、もともと自分の兄の部下であり、その兄に自分を暗殺するように促した人です。(実際は兄が太宗に殺されるのですが)

自分を殺そうとした人物の小言を敢えて聞こうとするとは、どれだけCoachableな皇帝でしょうか(笑)

中国史上でも最も評価の高い名君とされる太宗・李世民も、Coachableを実践し続けた人だったのです。

(『貞観政要』に興味がある人は出口治明さんのこの本がオススメです)

Coachableな人よ、集まれ。

そんなわけで、トラックレコード社ではいろんなポジションを積極採用中ですが、全ポジションにおいてCoachableな人を求めています。人から学ぶことに歓びを感じられる人は、当社の多様なメンバーから刺激を受けて楽しく仕事をしてもらえると信じています。

現在募集中のポジションはこちら。

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