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バーチャル田舎暮らし

昆虫全般が大の苦手だ。

私のようなムシ嫌いからすると昆虫写真はスマホの画面をなぞるのも抵抗があると思い、トップフォトは極力、極力、極力加工してみたがお目汚し失礼。

自分で撮影した写真でありながら、こういうときに限って羽の細部までキレイに撮れてしまった自分の腕に困惑する。ちなみに、撮影するときは肉眼ではなかなか見られないほど遠くにいる昆虫を超望遠のレンズで撮るため、「うわ」と思いながらもなんとなく撮ってしまう。使いどころはともかくとして。


例に漏れず、今年の夏から任天堂Switch「あつまれどうぶつの森」を楽しんでいる私なのだが、最近ではTwitterやInstagramで見かけた「他人様の島」にインターネット経由で遊びに行くことが増えてきた。(※夢番地といって、まるで夢を見るように人が創造した島を散策することができるシステムがある)

もともとは草木が生い茂っていたとは思えないほど今や大都会に変貌した島を散策すると、どうぶつの森の過去作をたしなんでいた私からすると時代はこんなに進んだのだと驚くと同時にプレイヤーのセンスの良さに思わず脱帽してしまう。

すると、憧れの島クリエイターの方がTwitterにこんなことを書いていた。

「サブ島はじめました!」と。

サブ島とは、ゲーム2本目を購入し再びイチからゲームを始め島づくりに徹することをいう。島を作り終えてまだなお作りたいデザインがあるという、そのあふれる想像力が羨ましい。


すると、彼女は続けてこんなことを言うのだ。

「なにもない森だけの島を歩いていたら、これはこれで癒されてしまって。街並みのように開発したくない」と。

なるほど、かつては都会に憧れて木々を切り、道を敷き、インフラを整え、住宅街をつくり…………それが一周まわって田舎に帰りたくなる。怖いほど現実をそのまま投影している。

島を発展させたくて住民(どうぶつ)を誘致したり、カフェのような施設を作ったりとゲーム内で奔走する私だが、田舎暮らしが楽しいと言われると未開発の土地の雑草を抜いたり木を伐採する気が引けてしまい、荒れ放題の土地でスクリーンショットを残してしまった。


そんな「バーチャルの自然」を満喫する私を横目で見た実母が今日、庭から「見て!こんなに大きなカマキリ!」と手の中指ほどの長さほどもあるカマキリを指さす。いやいいよ、なんでみせてきた。そんなことを言っていると今度は家の玄関先に小さなクモを見つけ慌てる私。

田舎暮らしはバーチャルでじゅうぶんかもしれない。いや、本音を言うと本作の夏のセミたちはバーチャルでもリアルすぎて すこしキツいものもあったが。


今は福岡の都心に家を構える私たち夫婦だが、数十年経ったら一周まわって田舎に移住したいと思うだろうか。今の私は都会の喧騒に疲れる日が来る実感はまるで無いのだが、もしかするとそれは福岡自体が小さな都会というより大きな田舎であって本当の意味での都会ではないからかもしれない。思いがけず将来の住設計を思いながら窓の向こうで風に揺られるカマキリを眺めゲームに没頭してしまった1日だった。

ちなみに、バーチャルだとDIYも一生懸命取り組んでいる私。レシピ募集中である。(なんの話し)

いい週末だった。明日からもがんばれる。

2020/11/08 こさい たろ




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