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そのままのキミを撮るよ

強すぎる日差しに頭を焼かれて、シャッターを切りながらついそんな言葉が浮かんだ今日だった。

「そのままの」もなにも、意思疎通やポージングができない動物を撮る以上そのままでしかないだろうに、我ながら滑稽である。


義母に付き添ってもらい、娘を連れて3か月ぶりに動物園を訪れた。

動物園といえば これまで何年かに渡り、年間パスポートで損をしない程度に定期的に通って撮影してきた。春は生命力にあふれ、夏は暑さにうだり、秋は涼し気にくつろぎ、冬はひたすら丸くなっている。季節ごとに特別な表情を見せてくれる動物たちが愛おしい。

そうか、いまこうして文字化してみると「そのままのキミを撮るよ」という感情もあながち間違っていないかもしれないことに気がついた。カメラマンたるもの、つい「カメラを向ける理由」として特別な感情を追い求めすぎるのが悪い癖だ。たまにはシンプルに「ありのまま」というのも悪くない。


9月も後半に差しかかっているというのに、真夏のような晴天にはお手上げだった。顔や身体はもちろん髪の毛先に至るまで厳重に日焼け止めを塗ったにも関わらず火照る頬や肩。やれやれと自嘲しながら、こうして撮れたての写真を吟味する夜である。これだから写真がやめられない。好きがとまらない。


前回も今日も、動物園に入ってまもなく寝落ちてしまう娘が動物にはしゃぐ姿を見せてくれるのはいつになるだろうか。「ママ見てライオンさんだー!」と駆け回る子を横目に、今日もシャッターを切った。


連休最終日の明日は家でゆっくり写真を現像しよう。今日も写真をご覧いただき、ここまで読んでいただいた貴方に感謝を。

2020/09/21 こさい たろ


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