全国学生演劇祭2022の感想を書く。ぽん会場編。

ぽん会場では、各地学生演劇祭推薦の団体が出場し、審査員もいて、観客審査もある。ももち会場とは違って、コンクールの色が強いのだけど、ギスギスした雰囲気があるわけじゃなく、良い意味でこっちもフェスだなーという印象を持った。ていうか、1ブロック1500円で、全日フリーパスが3000円ってどう考えてもバグってる。以下、簡単に感想。3月5日にBとAを見て、6日にDとCを観た。映像参加の作品の感想は割愛する。

B-2 劇団Noble 「晩餐」

舞台美術が素敵。あと食べてるパンがおいしそう。この作品において、パンが美味しそうって大事なことだと思うから、そういうこだわり好き。ただ、テーブルの両端でパン食べながら男女が話してる場面がずっと続くので、もう少し絵に動きが欲しいなーと思った。会話もどこか抽象的で、夫婦なのかな?とか、不妊治療してるのかな?とか、想像は色々出来るんだけど、もう少し、具体的をくれ!!!(こればっかり書いてる)と思ったのでした。あとほんと趣味の話かもしれないけど、手を合わせたポーズのまましばらく静止する場面、あれ、手を合わせるポーズが演者に負荷がかかってなさすぎて、ちょっと飽きてしまった。

A-1 ふ「三時間目 死後」

今回の私はなぜか一人芝居に点が甘いのだけど、これも一人芝居でとても良かった。というか、四国学生演劇祭推薦って看板で一人芝居って、左京ふうかさん、すさまじいな。自分で書いてるし。内容はどことなくディズニー映画の「ソウルフル・ワールド」をほうふつとさせました。構成として、いくつかの場面の間にゆるっとしたアイキャッチ的な場面が入るのだけど、うまいこと構成したら、時間の流れを止めずに初めから終わりまでいけるんじゃないかなーと思った。終わり方、好き。

A-2劇団カチコミ「蝋」

どんなんだったか全然思い出せなくて、ツイッターで検索したら、舞台写真上げてる人がいて、それで思い出した。恋愛相談所の落ちこぼれ社員が大学生の恋を成就させようとする話だった。って書くとちゃんとしてるみたいだけど、ウケたい男子大学生らしいメチャクチャさだった。ただ、さすが関西(奈良推薦)っていうと偏見かもしれんが、ツッコミがちゃんと成立していた。

D-2演劇企画モザイク「大山デブコの犯罪」

今、こういう半裸で白塗りで痙攣、みたいなことをちゃんとやろうって人たちがこんなに集まった、ってことがもうムネアツ。あさーいレベルの感想だけど、劇場って人の体を見に行くところだなあ。演者がみんな痩せてて、まじでがりっがりの男子がいて、ちょっとぎょっとするんだけど、そういうのを観れるのも劇場のいいところだな!ってまじで浅いけど思った。テーブルからこぼれたパンを踏んじゃうのが、どうしても生理的にきつかったのと、あと、あそこまでやるならもっと粘液が欲しかった。いや大変だろうけど。

C-1 劇団烏龍茶「くだらない」

母の墓参りをする女三人。知り合いだと思ったら他人だったっていう始まり方も好きだし、不条理なことがちょっとずつ起きながら、じんわりと可笑しみを醸し出していく作風はとても技術点高めだと思う。女三人の造形も、ギリギリデフォルメにならない感じが好き。ずーっと見ていたい。

C-2 劇団イン・ノート「賢者会議」

人気のない北校舎のトイレで、恋愛の話に興じる男子3人と女子2人。いけてないやつらの青春グラフティだ!男子も女子もちゃんといけてない!セリフのテンポとかミザンスが非常に見やすく、完成度の高さを感じた。なにより私は、開演前演出として、キャラクタ同士の雑談というていでの「他団体の作品いじり」が、大会オオトリの作品としてそれそれー!そういうのやんなきゃだよねー!と嬉しくなってしまった。それを客席全体で楽しんでるのもすごく良くて、コンクールだけどフェスなんだ、と思った。でもそれもこれも、本編の面白さと完成度の高さあってのこと。よかったー。


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