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私小説「”骨髄移植”経緯」~27~

27.「日常生活自体がリハビリですから、無理して動かなくていいですよ。」
外泊から帰った翌日体の痛みを告げると、副主治医からそういわれました。その日は一日中からだがジーンとして、1階のコンビニに飲み物を買いに行くことすら億劫でした。翌日の血液検査の結果、若干ですが白血球数も血小板数も増え心配された肝機能も指標に近づいていました。先生方で話し合った結果、投薬量を減らさないということで退院して構わないことになりました。いろいろな都合を考え、明日日曜日に退院です。
7月8日から10月27日まで、約110日の入院。8月2日の移植から一カ月は、抗がん剤・放射線治療の副作用に苦しみ一日千秋の思いで過ごしておりました。しかし主治医によれば中の上の状態で回復が進んだということで、重篤な症状も出ることもなく無事乗り切ることができました。そのため、今振り返ってみると長かったようで短くも感じます。

今回の入院を通して、健康に対する考えが改まりました。決して慢心することなく体の声を聴くこと、自分の体のことをわかるのは自分ではないかもしれないということです。そして何より心を震わせたのは、わたくしのような者の身を心配し応援してくださる方がこんなにもたくさんいらっしゃるということです。長きにわたりいただいた温かさと心よりの思いやりに衷心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

退院という形で病院からは出ますが、まだまだ予断は許しません。免疫抑制剤が効いているので抵抗力が弱くなっています。人ごみを避ける、生ものは口にしない、など自分の責任・管理の下で毎日暮らさねばなりません。これを乗り越え、皆様と笑いながら食べ、飲み、騒ぐことができる日が一日も早く来るようこれから精進してまいります。

皆様から受けた優しい光とご声援に深く感謝いたしますとともに、くれぐれもご健康で過ごされますよう心よりお祈り申し上げます。

ありがとうございました。