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新チーム

F1グランプリ開幕前のワクワク感が好きだ。
各チーム、新しいシーズンのレギュレーションに向けたニューマシンを発表する。またドライバー2名(と予備ドライバー)、チームの陣容が公開される。

この時点では各チーム、基本的には前を見ている。
今よりも良くなる、モアベターな未来の話しかしない。

ニューマシンは何を狙って開発されたのか。継承される部分と全く革新的な部分の解説。
チームの陣容は全体を総指揮するマネージャーからメカニック各分野の専門家までが並び、勝つためのチームとして、何を考えて結成されたメンバーなのか。
ファーストドライバー、セカンドドライバーはどんな腕前、実績、タイプで、どういう計算を立てたからフィットしそうなのか…
などの意図を想像することができる。

これがまた本当に華々しいんだ、F1の新車発表会

そして、テストドライブを重ねながら実際に開幕戦を迎える。
この時点ではテストドライブなので単に最高速が速いからいいとも一概に言えない。その逆も然りで、スピードが出ないからとか、走行距離が稼げないからとかだけで弱そうと断じられる話でもない。

ピット作業の試行錯誤やニューマシンの調整もあるので、わかりやすい面からだけでは戦力は推し量れないのだ。
(どうかしたら戦力を隠すために意図的に「弱いフリ」をするチーム戦略も珍しくない、というか多かれ少なかれどこもそういうフェイクを入れようとする)

テストドライブが得意なドライバー(データ集めやレポートが上手)というのも重宝される

そして、実際に開幕すると毎週のようにレースが行われる。
1カ月もすると、うまく滑り出したチーム、強いはずなのになかなか勝てないチーム…など様々な色が現れる。

フェラーリ史上最も美しく、最悪の失敗作といわれるF92A サイドポンツーン(左右に見える吸気口)周りを戦闘機からヒントを得て設計され、マシン全体の空力をゼロから作り上げた意欲作だったが…本当に安定しなかった! なお写真のドライバーはジャン・アレジ(後藤久美子の旦那さん)

結局どうだったのかの答え合わせはシーズン中盤~終盤にかけての話になるがこの頃には既に「来季はどうなりそうか」なんていう話題も盛んになってくるものだ。

あれ?まるでサラリーマンの年度制みたいな話だな。

弊社の新年度体制も概ね固まった。


弊社では3月初旬の人事異動内示から1週間もすれば偉い人たちの最終同意を得て新体制も発表される。その前後から年度末の締業務と同時進行で、新年度体制に向けた準備が進んでいく。

先日、社内向けに次年度に向けての檄文と、組織図の発表がなされた。
俺は希望通りに異動はなかったが、配属替えがあった。所属する課が変わる。4月から1年間、俺はここで生きていくことになる。

全く同じチームがずっと続くことは珍しい


これは勤務先によっても大分変ってくると思うが、私のこれまでのキャリアを振り返ると、全く変わらないということはなかなかない。

誰かが退職する、誰かが入社してくる。
退職の理由も様々で、誰もが納得する定年退職から、青天の霹靂の如き電撃退職、詳細は不明ながら不穏な話しか流れてこない幕引きなど様々だ。

入社してくる面々がどんな人達なのかも毎回異なる。凄くイイ面々のときもあるし、揃いも揃って…ということだってある。

これに加えて、人事の異動があり、昇進する人がいたりする。
そう、初めて管理職になるなんて人もいるわけだ。

(話は脱線するが、私は中学受験をしたので小学校卒業時には離れ離れになることを強く意識した。そして、その後は毎年クラス替えがある学校ばかりだったので同じメンバーでのクラスは2度となかった。高校卒業では進路も本当にバラバラに。大学進学で独り暮らしが始まるとそこはもう大人の社会で、喰うか喰われるかの殺伐とした空気だった。)

新体制に向けてウォーミングアップをしていく

私はうつ病による8カ月の長期休職を経て、2023年10月から正式復帰をしている。正式復帰とは言うものの、年度途中の中途半端な時期からの出勤なので大した役割も仕事もない。
そういう宙ぶらりんな状態で6か月目(=3月)に入った。

2月下旬から、毎週自分なりに職場でのテーマを決めて、1週間を過ごすようにしていた。このチャレンジは完全に新年度を想定した自分なりの準備の一環としてやっている。

3月1日の人事異動内示、それに伴う新年度新体制、異動があるかどうかは別としても「期中からお邪魔する中途半端な立場」から、「本当の正式稼働への移行」という雰囲気になるのは充分わかっていたからだ。

今の事務所では月曜日に朝礼はあるものの挨拶するのは当番制にあたった人だけで、あとは予定の確認程度。なので気の利いたことを週初めに意識しようとすれば自分で決めて意識するしかない。

週ごとに1つテーマを決めている

新チームの構成メンバーについて


新年度の勤務地、担当業務が定まれば、自ずと4月から12ヶ月間のライフサイクルも予想がついてくる。
通勤がどうなるのか、業務的にはどのあたりが多忙になりそうか、残業がどの程度発生しそうか…等の想像がつく(まぁ実際にやってみないと何とも言えない部分も相当にあるのだが)。

私の場合は、勤務先は変わらないが配属課が変わることになった。
(実はこれちょっと予想できていた。自身の特性、退職や左遷での欠員人数、人事異動内示の内容…俺、多分、課は移るんじゃないかなと思った。)
今見る限りではそれほどとんでもない残業は発生しなさそう。

また、人事異動になると大抵の場合、人間関係が難しいものだ。
今回は私も上司、同僚、部下はまるで変ってくることになるが、直接関わる上司2人が今までも大変よくして頂いている方々だ。

このお二方とは過去にも仕事をしたことがあるので、それほど問題は無いんじゃないかなとひとまずは安心している。

他でいうと、ちょっと先をいっている同期が同じ課になる。

以前であればそれなりに色々と思うところはあっただろうなとは考える。
今は社内での肩書きについては、良くも悪くも既にある程度どうでもよくなってしまっている。

というのも一度壊れて長期休職した男がメンツなんか気にしてどうするんだという諦めがある。社内外かなり広範囲に「壊れてしまったかわいそうな人」と認知されてしまっただろう。もはや自分にできること、やらなければならないことを着実にやっていくだけだ。

新チームで迎える、この1年

さて。陣容はだいたい決まった。
異動はなかった。住み慣れた今のところで1年過ごせる。年始に予定した様々な試みについても継続してチャレンジしていけるようでなによりだ。

近所の自治体運営のジムに行くことにしたのよ。

久しぶりに、オールグリーンな年度はじめになりそうでちょっと期待しているが、あまり浮かれていると足元をすくわれるので「はしゃぎすぎないように」と自分に言い聞かせながら、4月を待っている。

職場環境に関しては4年苦しんできた。
そろそろ、まともな1年度を過ごしたいのだ。

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