天野拓美

四児を育てる愛妻家。49歳から小説を書き始めて、51歳で漫画を描こうとしています。

天野拓美

四児を育てる愛妻家。49歳から小説を書き始めて、51歳で漫画を描こうとしています。

最近の記事

絵描きが無償で町内会の子供神輿に12枚のA2サイズ絵を描いて苦しむ話

町内会の子供神輿を作ったのだが、これがもう本当に大変だった。 家族の不登校問題を抱えたまま進学進級があって、状況が落ち着かないうちに春のお祭りに間に合わせなければいけなかったことで、作業時間が非常にタイトだったこともあるが、一番の問題点は「絵に金を払う」価値観が、この町内会(自治会)に無いことだった。 終始「僕としてはこれくらいはお金を出してもらわないと」と「え、そんなものにそんなにお金を使うってどういうこと?」との戦いだった。 いや、戦うというか、自治会に絵を尊重する

    • 富野由悠季監督が本当にブチ殺したかったもの

       パプテマス・シロッコは、機動戦士Zガンダムのラスボスだ。  カミーユは、最後の最後に、全怨嗟を込めてこの男を叩き潰したが、ほぼ相打ちの形で彼は精神の柱を失っている。  しかし、シロッコは、Zガンダムという物語の中で「最終的に叩き潰すべき」と思わせるほどの巨悪だったろうか。  シャアとカミーユは、富野由悠季監督の分身である。  そのカミーユをして、なぜ監督はこれほどシロッコを憎んだのだろうか。  昔から「土曜夕方、茶の間のテレビで、オッサンが裸で踊っている」と言わしめたほ

      • 相良宗介の新生

         フルメタル・パニック本編最終巻読了の感想。 「最終的にどうなったか」の感想なので以下どうやってもネタバレ。注意されたし。  本編の主人公である相良宗介は、決して軍人として天賦の才能をもった人物ではない。  戦争と無縁の平和な陣代高校、あるいは最新機能が衝突する最前線からは遠く離れたナムサクの闘技場にいたからこそ際立っていたが、マオに言われ、本人にも自覚のあるとおり、彼に勝る才人は多くいる。宗介は、決して殺しに向いた人間では無い。カリーニンには、はっきりと「才能がない」と

        • シン仮面ライダーのコレってアレだよねネタバレ考察

          「シン仮面ライダー」を観てきた。  以下完全にネタバレなのでご注意を。  体調のこともあり、途中のコウモリ男のあたりで寝てしまったりして「過去のシンに比べて、あんまり面白くないなあ、私向きではなかったかなあ」と途中まで思っていたが、終わってみると凄く満足していて、子門真人の、いい声のでている時期の音源が頭から離れない。そんな映画だった。  多くの感想にあるように、庵野監督が、原作にも重心を置いて仮面ライダーの好きな所と「皆さんがよくご存知なライダーネタ」を綺麗に編み込ん

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          そんな異世界転生で大丈夫か。

           ある異世界転生ものの小説を読んだ。書籍化している有名なやつだ。  主人公はブラック企業に勤めて身体を壊して死に、女神様にチート能力を授けられる。  転生した先は未開の地だが、凄まじいチートで生活基盤はサクサクと構築される。都合がよくてノンストレス。迷い込んできた美少女もあっという間に奥さんにする。奥さんも大変都合がよく「このケダモノ!」から「旦那さまぁん」まで、あっという間だった。  主人公のチート能力は「テレビで見たことがある」程度のものを、すぐさま現実化する。このため

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          旦那さんに後ろから撃たれる

          昨日きいた育児愚痴。小学生二人お子さんのいる40代主婦の方。いま小学生には、登校前に、熱・のどの痛み・咳・だるさ・息苦しさなど、確認して報告しなければならない多数の健康チェック項目がありまして「そのうち一つでも該当する場合は学校を休ませてください」とあってですね、でもほら「のどの痛み」なんて「あるか・ないか」で聞けば、口呼吸してる子供の寝起きなんてだいたい喉は痛いわけですよ。ここで育児勘のある人間は、子供が訴えたときに「ははーん、ズル休みだな?」という直感が働くそうです。私も

          旦那さんに後ろから撃たれる

          謎の多い物語「宝石の国」の裏側~漫画アシスタント物語~

           この考察は「宝石の国」原作を、別の方向から解釈したものです。  勝手な妄想、下衆の勘繰りと言って良い内容なので、原作を楽しまれた上で、別の視点から見てみたいと思う方のみ、寛容なこころでお楽しみください。  独創的なSFやファンタジーは、一枚めくれば、現実にフィルターを被せた結果であることがある。  最初に類似点を見たのは「メイドインアビス」だ。  メイドインアビスは、漫画創作という世界に、深く深く潜っていく物語だ。就職を諦め、結婚を諦め、社会的地位を諦めて、潜っていけば

          謎の多い物語「宝石の国」の裏側~漫画アシスタント物語~

          「ククルスドアンの島」ア・バオア・クー戦ラストに繋がる、無かったことにしてはいけない物語

          「ククルス・ドアンの島」を観た。  アニメーションや、モビルスーツ戦の迫力など、一般的な話題は避けてラストシーンについてだけ考える。 「あなたに染みついた戦争の匂いが、戦いを引き寄せる」そう言ってアムロはドアンのザクを海中に葬る。TV版でも今作でも、正直なところ腑に落ちなかったこのシーンの意味は何だろうか。 「武器があるから戦争が起きるんだ」という政治的なメッセージともとれる。だが、実際には武器がないと思われたからこそ、ウクライナという国は2022年にロシアの侵略を受けた

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          シンウルトラマン次回作への伏線と考えれば。

          シンウルトラマンネタバレ感想追記。 ザラブ星人もメフィラス星人も、単独でウルトラマンと相対している。これは、ウルトラマンが個人でここにいるからだ。侵略的外星人が、大人数で組織的に入ってきた時、おそらく光の国からの干渉がある。具体的にはゾーフィが来ることだ。彼の背後にある巨大な軍事力、制裁力がまともに行使されれば、ザラブもメフィラスも全面戦争するほどの力はない。だからメフィラスはゾーフィの姿をみて手を引いたのだ。 瞬間に「この星は消滅させられるんだろうな。ああ、残念。いいシノギ

          シンウルトラマン次回作への伏線と考えれば。

          ありがとう、ウルトラマン。

          シンウルトラマンのネタバレ感想。 まず何と言っても怪獣デザインがいい。ネロンガは、もともとカッコよかったけど、マッシブになってさらにいい。怪獣・星人デザインほんとにいい。冒頭の、洞窟の奥に巨大な目玉が見える演出、これは1966年版ではネロンガ登場で使われた印象的なシーンだけど、今回はゴメスに使われていた。(ゴメスにもともとあったかどうかは知らない。でも)あれはやりたいよね。ウルトラQを下敷きに冒頭数分で前提を作ったのが良かった。ザラブはブラザーのアナグラム。だから18話は「遊

          ありがとう、ウルトラマン。