お嫌いですか、ロボットは？#９ 極上のホウレンソウ（下）

――で、どうなったんですかその案件は。いつもと同じで、大成功でシャンシャンってハズはないですよね？
　ああまあマスター、そう焦らずに。ほうれん草とベーコンのサラダおいしかったわ。ドリンクのお代わりも頂戴。

――同じものででいいですか？　ジャックソーダで。
　うん、頼むわ。レモンをぎゅっとしぼってね。マスターも、良かったら何か一杯飲んでよ……………。

　26歳青年の伊藤君と、パートの洋子さんからの報告や連絡を受ける内に、SIerとしてロボットを入れた自動化に向けて困り事を聞く「ヒアリング」の材料はだいたいそろった。立体式の自動倉庫に変えてロボットを導入し、無人搬送車（AGV）を走らせる、ピッキングも自動化、なんていう自動化の「常道」は、北尾張倉庫のケースでは向かないと判断した。