白髪染めるか問題。
実家が近くなので、だいたい月に一回のペースで帰っている。その時ついでに近所の床屋さんで髪を切ってもらう。小学生の頃から通ってる床屋さんで、もう30年以上になる。美容室や1000円カットに行ったこともあるが、結局この床屋さんにお世話になっている。
小学生だった僕はおじさんになり、床屋のおじさんはおじいさんになった。二人の関係性はそのまま、時間が止まってる。
男の場合、精神的には小中学生のまま年をとる。なにかのきっかけで、おじさんはおじさんを演じなければならない。
「白いのが出てきたねぇ、へっへっ。」と床屋のおじいさんは言う。
「そうですね〜、ははは…。」と気まずく僕が返す。
「大谷は今年もやるかな?」と床屋のおじいさん。
「やるんじゃないですか?」と僕。
救われた。白髪はこのままにしておこう。
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