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トリックスター

1997年9月10日(水)
頭が少し痛くなって眠くなり、ひるね。
歩いている人たち。急いでない。散歩のようだけど、目的地があるようだ。
歩いている人の正面に立ちはだかって右手を斜めに挙げ、あざ笑うように上目使いで睨んで回っている小娘がいた。「ハイル・ヒトラー」と声は出さない。
テレビ、をわたしは見ているようだった。
ピンクの服を着たその子のふるまいに困惑──この子は一体なんなんだろう。どうやって教えればいいんだろう。
全体主義の残虐がフラッシュバックした。

歩いてた人たちが着席していた。たぶん大きなドーナツの形の机を囲んでいたと思う。4分の1しか見えなかったけど。
そこにもピンクの服の小娘はいて、相変わらず大人たちの顔を覗きこんで、件の形を見せつけていた。やっぱり口は利かなかった。
戸惑って見つめる人、面白そうに手を挙げる人、はっきりしない動きをする人。

目が覚めたら、頭が滅茶苦茶痛かった。割れるかと思った。
頭に西瓜みたいな筋があるみたいで、天辺に向かって血が脈打ちながら上っていく。
変な冷えも来た。


2023.10.13
「ファシズムの教室 なぜ集団は暴走するのか」(田野大輔著 大月書店)を丁度読んでるところ。

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