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「代打、オレ」と言えたなら。

夫が言った。
「自分のことなら簡単なんだけどね。自分のことじゃないから難しいよね」
ほんとそれ。
高校生になる娘の将来について、ことあるごとに心配になってしまう私は
「子育てって難しい……」が口グセのように出てくる。
もう親がコントロールできる年齢でもなくなり、
ただ見守るしかないのはわかっているけど、
せっかちな私はのんびり屋の娘の行動がとにかく歯がゆい。

今年からジャイアンツの新監督になった阿部慎之助も
選手の成長を見守りながら、同じことを思っているのではないだろうか。
新人の頃から“打てる捕手”としてその名を轟かせ、
現役生活19年間で通算打率.284、本塁打406本。
ホームランの数は原辰徳前監督より24本も多い。
また、出塁率+長打率で表されるOPS(いわば打者としての価値を表す指標)が通算.863はものすごい数字だ。
たしかに私の記憶の中でも、ここで一発!が欲しい時に必ず打ってくれた
「困った時の慎之助」だった。
それを負担の多い捕手というポジションで叶えていたとは恐れ入る。
だからこそ、チャンスの時にあと1本が出ない今のジャイアンツに
「代打、オレ」と言えたなら、と何度も思っているにちがいない。

けれど今はただ選手を信じて待つしかない。
きっとそれが「育てる」ということなんだ。
待っているよ、G戦士たち。待っているよ、娘。

でもお母さん、そんなに気が長くないから、1日でも早く、どうかよろしくね。

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