詩 無題

詞は詩を届けるのだろうか
大震災のあと静寂が訪れ
戦争の最中爆音が響く中
地球は温暖化に喘ぐ
最小の生物たちは
我々の知らない所で
静かに消えていく
その声は音楽にはならない
ぼくたちの気付きのみ光を浴びる
だからどうだというのか
忘却と失望と絶望しかない
それでも人生の余白で
純粋な理性を使って
人類は細胞に刻む
その声は脳に届き
愛の果て子供たちの手の中に
嗚呼
言葉は歌を届けるのだろうか
心の中へ魂の中へ
無機物のような量子の彼方へ
微睡みの人生の酔いどれの道程に
孤独な時は詩を紡ぐ
声なきこえに耳をすまして

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