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障害者認定

ここ数年、視力がおちてきたとおもってたけどまあ加齢もあるしな、と放置していた。
あまりに日常生活でうどんを逆さのざるにあけたり、お茶をテーブルに注いだりし続けるのでソロソロヤバいかな、とも思っていた。病院への扉を開けさせたのは、先週の入学式でばっちりスーツできめたまま段差でコケたからだ。

結果は、矯正視力0.1 裸眼0.01
私は片目しかないのでこれが生きていく上での視力となる。
結構驚いた。そしてかなり家族に迷惑かけていたな、と思った。

障害者手帳はとれるけど、この等級じゃあそんなにメリット無いですよ、と医者に言われたけど、伝わらないだろうなあ。。。福祉が欲しい訳じゃないんだよ。今までの自分との訣別の証なんだよね。
もう普通の人のように振る舞わなくていいよ、という公からのお達しみたいな感じ。もう戻れないから新しい生活を築きなよ、そんなもの。

思えば5年ほど前。契約社員で入った会社で「あなたと私が同じお給料なんて納得いかない」と言われた。あの日から私はずっと足がすくんで閉じこもっていた。
彼女の言った言葉は結局私がずっとそうなんじゃないかと思っていたことだし、きっと今までもそう思ってきた人たちがいたんだろう。ただ皆が優しくて人に恵まれていたから仕事ができたただけ。彼女はある意味私の人生の何かを叩き割ってくれた人だった。

それでも当時の私は視力0.6はあった。でも人間は鬱になると全てが停止していく。やれる!と思うから手も動き目も見えていた。
できないんじゃないか、と思うとみるみる霞がかかり、何も見えなくなっていった。そしてさらに人と会うのを避ける悪循環。

要は、昨日の障害者認定は、そんな過去の私への訣別の引導。
もちろん泣いた。いずれ完全に見えなくなるんじゃないかという不安もある。怖い。
でも多分、私は少し自由になった。
過去の自分を誇らしく愛しく思うけど、バイバイする時間だ。
前を向いて新しい自分を創ろうという気持ちが少しずつ湧いてくる。

家族や周りのみんなに、感謝しかない。

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