見出し画像

シャッタースピード表現

風景におけるシャッタースピード優先

シャッタースピードを先にイメージして撮影することを「シャッタースピード優先」という。一般的にオートでは「S」に合わせると、絞りを自動で変えて露出をすることをいうが、「Mマニュアル」でも撮影者が「シャッタースピード」を先に意識し、決め、その後「絞り」を合わせ、露出することと同じ。もちろん、その前に「ISO感度」を一番先に設定するが。

手持ち撮影ではできない

カメラの性能や撮影者のテクニックによって、手持ち1/15秒くらいで撮れる人もあれば、1/125秒でないと、手ブレを起こしてしまう人もいる。
夜景や星の軌跡などは、数秒から時間単位でシャッターを開けておくこともある。
今回紹介する写真は、滝の写真。1/4秒から1/15秒くらいなので、三脚が必要になってくる。三脚の選び方や使い方は、後日。
当然だがしっかりした三脚が必要で、ミラーアップやレリーズの使い方にも気をつかう必要がある。

何を撮るかでシャッタースピードが変わる

スポーツや鳥などの動物、速く動く乗り物などの場合は、シャッタースピードを速くして撮る。また、ブレをあえて作り、動きを出すこともある。
ここでは滝やせせらぎなどでよく使うシャッタースピードを例にとり、説明する。

水の流れの繊細さを表現( ISO100 f8 1/8秒 三脚使用)

滝の全体を撮ったら、その滝の特徴的なところをクローズアップし、岩にあたり、流れる水の繊細な部分を表現するために、シャッタースピードを決め、絞りを合わせて、明るさを決める。水の流れの速さ、水の流れる量などから決めるが、私の場合、「1/4-1/15秒」で撮ることが多い。
観光地などで、手持ちで撮影している人がいるが、流れの美しさ、一瞬を止める美しさでもない、不自然に流れの止まった写真になってしまう。

スマートフォンであれば、動画モードの方が適している。

デジタルカメラでは、とりあえず撮って、モニターを4倍くらいに拡大し、モニタールーペで確認。納得いかなければ、すぐに撮り直しができるので、気持ちを柔らかに。

速いシャッタースピードで切る表現

荒々しい一瞬を表現( ISO100 f3.4 1/2000秒 手持ち撮影)

滝の落ち口。水が激しく飛び跳ねていた。暗い影の背景を選び、その飛沫《ひまつ》を表現。
この場合、シャッターを速くし、一瞬を止める必要がある。
シャッタースピードを変え、何枚か撮る。
その中から1枚を選ぶ。
慣れてくると、あまり無駄打ちはしなくなる。

スローシャッターによる葉の流れ

落葉を流す表現( ISO100 f22 3秒 三脚使用)

かすかに水が渦をまいていた。そこでスローシャッターで動き(流れ)を表現する。
ISO100が私のカメラの最小値(最も暗くクリアーな写真になる感度)。後はどれだけスローシャッターになるか、絞りを最小「 f 22 」これで得たスピードが「 3秒 」。
この場合は、「PL」フィルターがあれば、水面の反射をなくし、更に遅いシャッターを得ることができる。

シャッタースピードを優先する場合、動きがあるかどうか。その動きをどのくらいで表現するか。

滝やせせらぎなどを撮る場合(スローシャッターの場合)、直射日光が当たらない曇天や雨が弱く降っている状況の方が良く撮れることが多い。撮影に行く日に、雨だったら、「雨でなければ撮れない被写体を選ぶ」のも一興。
観光地では、人が入ってしまうことがあるが、夕方頃になるといなくなる。うっすらと暗くもなるので、その時こそシャッターチャンス。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?