本当は嫌だった

着飾って
知らない場所に
連れて行かれ

知らない子達と
会って

みんな
ならんでの写真を撮るのも

ボクは

自分の匂いのついたおうちで

家族とのんびりするのが
好きだった

知らない場所
知らない人
知らない犬

ボクは
ストレスから
いろんな病気になった

ママは
あちこち病院に
走ってくれた

きっと

ボクを心配して
そうしてくれていたんだよね

わかってるよ

でも

病院なんかじゃ
きっと治らない

美味しい
ごちそうや
おやつより

高価な首輪より

ボクは…

ボクは
家族とのんびり暮らせれば

それだけで
幸せだったんだ

裸ん坊で
部屋を駆けまわり

悪戯して
ちょっとだけママを
困らせたり
叱られたり

だけど

いっぱいいっぱい
可愛がって貰って

ボクのこと
抱きしめて

大事な子供だって

そんな風に言ってくれたよね

思い出して…ママ

小さい頃は
楽しかったな

もう

戻れないのかな

今のボクは

ママの

何なんだろう…