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ニュクティメネ 夜の鳥に変じた娘~ギリシャ神話美少女シリーズ~

 今回の美少女はこれまたマニアックなところで、ニュクティメネ。
 レスボス島の王エポペウスの娘で、とても美しい乙女でしたが、そのためにあろうことか実の父親に欲情され、手籠めにされてしまいます。
 それを恥じて森に身を隠していたところを、梟に変えられて、憐れんだ女神アテナのお供を務めるようになった、ということです。これが「ミネルヴァ(ローマ神話でアテナに対応)の梟」ということです。
 彼女はその後もずっと自分を恥じて日の光を浴びるのをはばかり、もっぱら夜の闇にしか姿をあらわさなくなったとのこと。梟の夜行性の由来ともなっています。


 ということで背景を夜にして、変身後の梟とともに描きました。名前の「ニュクティメネ」も英語の night と語源的に通じます。

 典拠のオウィディウス『変身物語』では「大罪を犯した」と語られていますが、近親相姦の大罪は100%完全に父親の側にあるはずで、彼女自身は何も悪い事はしていないはずです。けれどもどんな事情であっても貞潔を失えばそれは女性の罪とされる。そんな理不尽な風潮が今ですらまだ多少とも残存しているぐらいですから、神話が語られた古代にはもっと強固だったことを示唆しています。カリストの時もそうでした。

 ちなみに彼女の出身地であるレスボス島は「レズビアン」の語源となっていますが、この話とは関係ありません。

 

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