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異時層西方外典Part2

このnoteはアナザーエデンの追加コンテンツである西方外典の二次創作になります。本編とは違う歴史を歩む西方もといメリナ様を見ていただければと思います。西方外典をクリアされた方で二次創作に配慮のある方に向けてのものとなっております。西方外典をクリアされていない方は特にご注意ください!!
※Part1の続きになります。

そう…彼は突然姿を消した。
しかし、彼が消えたことを知ったのは彼の様態を見に行った薬師ではなく洞窟から響く戦闘音だった…。翼人の姿をした彼が洞窟に行けば籠の亡霊に襲われることはわかっていたが混乱させる上に不用意に怖がらせる必要はないと判断し伝えないでいたのが仇となったようだ……。
 飛べる上に地の利がある亡霊に押され、亡霊との戦闘は洞窟から村に移っていった。子供たちを避難させ戦える大人達で対応していたが、一瞬の隙を突かれ陣形を崩され負傷者が次々と出ていた。大婆様がこれ以上被害を広めないためにと相討ち覚悟で特攻してしまった。結果的には遺物の力で亡霊の翼を奪い捕らえることには成功したが大婆様もまた亡霊の攻撃をまともに受けてしまい意識もはっきりしていない。村の最大の脅威であった亡霊を捉えることには成功したが、村は歓喜に包まれることはなかった。亡霊を捉えたところで飛べない呪いがとける訳でもない、大婆様もどうなるか分からない、村の皆はリーダーと呪いからの解放という希望を失うかもしれないと思い不安だった。その不安はどこかにはけ口を求めるかのように今回の原因を探すよう皆を動かす原動力となってしまった。洞窟に入ってしまった彼だという者、彼に全てを伝えなかった大人達だという者、亡霊を抑えきれなかったからだという者、様々な意見が出されていったが皆同じ種族の者同士、この先も支え合って生きていく必要があるのは皆分かっていたためこれ以上の追及は無駄だと皆が思っていたが、誰かが放った「そもそも彼を見つけたのは…」という呟きが皆の意識をひとつにしてしまった……。そうメリナはこの村において唯一、翼人ではない。最初は異物として扱って居た者も少なくはなく、大婆様が受け入れたこともあり皆受け入れていたため、その大婆様を危険に晒したのがメリナだと認識されてしまえば今回の騒動の全ての原因はメリナだと結論付ける者が出てくるのは時間の問題だった。気が付けば誰が原因かではなくメリナをどうするかで話は進んでしまっていた。ミストレアが大婆様の傍で意識が戻るのを待っている間にその話は進み、メリナをどう処刑するかにまで発展してしまった。その勢いは既にミストレア1人で止められるものではなくなっていたため、彼女が何を言おうとも話を聞くものは居なかった。それどころか大婆様を危険に晒したメリナの仲間として捕まってしまった。
 数時間に及ぶ話し合いの結果メリナとメリナが見つけてきた翼人を村から追放することが決定した。処刑の形が取られなかったのはミストレアの懇願の結果というよりは直接手を下すよりもよりメリナ達が苦しむ道を選んだためだった。その日のうちに追放は行われたが彼らの思惑通りにはならなかった。メリナ達を追放する際に戻って来れないようにと追跡隊が編成されたが、足を滑らせたメリナ達が崖から転落してしまったためだ。そこは底を確認するどころか対岸が霞むほど深い深い崖だった。追跡隊はもう確認の必要性は無いとして村に引き上げようとしていたが、突然どこからかも誰の声かも分からない声が響いてきた。
「2人……一対……条件確認」
その声がした途端、メリナと共に居た翼人は力を得たのか空を駆けだした。
……………………………………
アルド「えっと……読めって言われたからとりあえず読んだけど、なんでこの本を俺に読ませたんだ?  えーと、クラルテっていったっけ?」
クラルテ「君には必要だからだよアルド。これから君がしなくてはならない事を考えるとどうしてもこれを読んでもらう必要があったんだ」
アルド「そっか……と言うかなんで俺の名前を知ってるんだ!?どこかで会ったことあったがあったら申し訳ないけど」
クラルテ「会ったことがあると言えばあるし、ないと言えばないかな……古い友人とでも思ってくれればいいかな、それよりも君にはどうしてもして欲しいことがあるんだ……お願いできるかな?」
アルド「なんかはぐらかされた気もするけど、俺にできることならなんでも言ってくれ。どの道元の時代に帰るための方法もよくわかんないしな……」
クラルテ「ありがとう、君ならそう言ってくれると思っていたよ。こちらに来て貰えるかな?」

今回はここまでとなります。 お読み頂きありがとうございます。気になるところで終わった気がするので次回はできる限り早く上げる予定ですが気長にお待ちいただければ幸いです。

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