【詩】図形、かたち。生活、制度(マナー)。社会。
角がある
それが削られた時間だとしても
目を転じれば
繰り返している
歩道の敷石や広告看板の端に
囚われてしまう
生きている時間の逃げ道が
静止している閃光のように
形を成し
そこを曲がることも
そこで止まることもできただろうに
日常的にやわらかく包まれた
光や風のケとハレのまだら模様を
許容する景色のなか
宝石の苦味に耐えた鞦韆の
聞こえない指先のしびれが
奥に、奥に染みてくる
恋愛とはぶら下がり
行ったり来たりするもの
左を抱き右を抱き
もう一度左を繰り返すのは(その逆であっても)
慣習の中に他者を受け入れ
あるいは拒絶するしぐさの制度
食卓にいくつかの椅子があるように
横並びに目を閉じて
下を向き歯軋りをする夕餉でさえ
角が繰り返す
街々の失われた270°あたりのために
ゲシュタルトの夢のこだわりと
執着が層をなす
君の昨日の朝と今日の夜が忙しく振る舞う
眼が囚われた伝える電気信号の
集合体でも、甘い軋みに
分泌され染み広がる雲母状の解答が汚す時
眉を顰め自涜する花屋
詰まるところリフレインと張力が
時間をつくる原因であり
このままを希望の導火線で憶っている
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