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【詩】あさのうた

避けられない罪からやっと逃れ
また新しい罪を纏(まと)うように
朝がはじまる

差し込む光に無為の今日を思い
いちどに幾日もの感情が押し寄せ
また朝がはじまる

僕がどんな風に生きているか
君は知らないだろ

それは言われた言葉だったのか
言い放った言葉だったのか
あるいは「言葉」からの反撃だったのか

時間の重さに耐え
秒針の進む速度に永遠を嘆く凡庸さも
時には慰めになるはず

僕らは
生まれてしまったことの意味を
少しづつ削り取りながら
生きている
生きれなかった想いと共に

耳を澄ますと聴こえる軍楽の調べ
無くした夢のさまざまな色
幾千の朝を追想する
瞳のひかり


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