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【詩】相似形の人々

身体が
無くした半分を探している
死と再生を真似て
心半分も捨てたと
傲慢なことを言い放つ

自分を
何に見せようか
思い悩んだ日々が
溶け出してゆく

逃げ道のために
取り乱した

無くした半分が
取り戻そうと
あがく
半分とは半分ではない
突き出したものという

みんな相似形に嘘をつく

残った半分づつを
合わせようとする人がいる
波打ち際の向こうには
「器官なき身体」とLEGOブロック

合わせることは離反する
境界の
ゆえに似ているものと
取り戻そうとする粘着性の
コンプレックス

あまり変化を望まない日
近づきすぎると見えない日常が
父母のもとに帰る

高価な長椅子のある部屋が
用意された

ぼくには似合わない
三角形が王冠のように
中心にある無

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