京大法学部は意外と楽って話

 「京大では単位が降ってくる」という言葉があります。これはもちろん単位が非常に取りやすいことを例えた言葉です。しかし、そんな大学でありながら法学部は「あほう学部」と呼ばれあほみたいな勉強量が必要だと言われています…

実際のところ法学部は「あほう学部」なのか?法学部への入学を考えている方の中には不安に思っている方もいらっしゃる気がするので、卒業を控えた自身の体験談から伝えたいと思います。


この記事のメインターゲット

 そもそもこの記事のメインターゲットはだれなのかという話をしておきます。まず学部卒業後はロースクールに通い司法試験を受けようとされている方については読まない方がいいかもしれません笑
しっかり目的意識を持って入られる方にとってはここで書く内容はあまりにも意識が低く、こんなやつと同じ学部に入ろうとしているのかと京大法学部合格へのモチベーションにひびを入れてしまう恐れがあります。

ここでのメインターゲットは、京大法学部なんとなくかっこよさそう!とか、他の学部よりは進路の幅ありそう!、等の適当なイメージしか持っていないお気楽な方々です。(昔の私と一緒ですね)

入ってみたものの勉強で死にそうだし、留年してしまうしという事になれば目も当てられないのでそれだけは回避しなくてはいけませんよね。
大丈夫です!!!
心配せずともなんとなくの気持ちで法学部に入ってきて問題ないので今の気持ちに素直になってあげましょう。


自己紹介(主に学業面)

 まず軽く私の自己紹介をしておきます。世の中には訳の分からないレベルの天才がいるものでそんな人たちのいう事は、面白くはあれど参考にしていいものか迷ってしまうと思います。この記事を読んだ皆さんは自身と比べて参考にしていいものか判断してください。

 私は小中高と田舎の公立校に通い一浪して京大法学部に入学しました。入学時の成績は合格者平均ど真ん中で、特別できた科目もありません。もう少し詳しく書くと、国語数学英語は平均点を数点上回り、社会は10点くらい低かったと思います。

大学でのGPAは2.4くらい。はっきり言って良くはないです。しかし留年率が28%ということを考えれば最低水準でもないかと思っています。(院に進む人の中にはあえて単位を取っていない人もいますが割愛します)
またできれば目を背けたい事実ですが法学部内に友人は一人もいないため、テスト対策は完全に一人でやっていることも書いておきます。


法学部が楽な理由

 京大法学部が楽な最大の理由はテスト1発勝負であることに尽きます。
は?何言ってんの?
と、なった方もいらっしゃると思うので私の考えを詳しく書いていきます。


出席点がない

 他の学部では出席点が100点満点中30~50点ほど割り振られているため休めば休むほど後々挽回が難しくなっていきます。さらに授業全体の回数の3分の1を出席しなかった場合はその時点で単位を認めない等、さぼりがちな学生に対して厳しい目が向けられていることが分かります。

しかし!法学部には出席点がありません。前日に遊びすぎて眠い、寒くて布団から出られない、雨が降ってて濡れたくない、怠惰な学生が考える言い訳をすべて受け入れてくれる深い度量を持つのが京都大学法学部なのです。実際テスト本番になると普段の授業の三倍くらいの学生が教室に入ってくるので、3人に2人は授業を受けに来ていないことになります。


 そんなにさぼって授業の内容を理解できるのかという疑問が湧くかと思います。これについては概ね大丈夫であろう、という曖昧な答えで勘弁願います。許してください。

大体の授業ではレジュメが配布されており、事前にどこの範囲を学習するかが提示されています。レジュメの内容と対応する範囲の教科書を読んであまりにも情報量が少ない場合については授業に行った方がいい場合もあり得ます。ただ、私の経験ではほとんどの授業で教科書とレジュメの内容だけで十分にテストの記述はできたので行かなくても大丈夫な気がします。


法学部自治会サイトが神

 法学部生であれば全員法学部自治会という組織に加入することになります。法学部自治会は専用のサイトを持っており、そのサイトにアクセスすることで過去問を入手することが出来ます。

先輩からテストの傾向を聞いたり、同級生から過去問を入手する必要などありません。誰の力も借りずに、過去問からテストの傾向をつかむことができ試験対策に役立てられます。そのためテスト直前になってから勉強するのが嫌な場合は、授業の進度に合わせてその範囲がテストで重要そうかの判別をし早めの試験対策を効率的に行うこともできます。

後、これはごく一部の科目に限られますが法学部では試験対策委員を選出し試験対策プリント(シケプリ)を作成し法学部自治会のサイトにアップしており全員が利用可能です。


必修がない

 法学部には必修がありません。政治学から何単位以上、公法・民刑事法から何単位以上という縛りはありますが、非常に緩く適当に授業を決めてしまっても要件は満たせていることが多いかと思います。


 必修がないとどんな利点があるかというと学業面での目標を卒業というマクロな位置に置くことができ、落単に対してビビる必要がなくなります。一つの授業を落とせば留年であるとなれば、絶対に落とさないように余裕をもって勉強しなければなりません。

最悪落単してもいいとなると、単位取得ギリギリの勉強時間で済ますことができます。今までの勉強の中で感じられているかと思いますが、一定ラインまではあっさり点数が伸びるのに途中から伸び悩むことはよくあります。どこまで勉強しても100%理解したと断言はなかなかできません。

しかし法学部においてはその悩みと戦う必要はありません。「何となくテストに書けばいいことわかってきたな~、細かいことは知らんけど」の状態でテストを受けてしまっていいのです。もしそれで落単したなら次のテストから勉強時間を増やし分かっている範囲を広げてテストに臨むようにするだけです。


 私に関して言えば、専門科目が始まる2回生の前期は勉強量が足りておらず半分くらい落単しましたが、その後は勉強量を増やし8~9割の授業で単位を取れています。


具体的な勉強時間

 で、結局どれくらい勉強したらいいん?他の学部と比べて少ないん?という声が聞こえてきそうなので考えてみます。ここでは1週間に2回授業があり、試験に合格することで4単位取得できる授業を前提とします。

 まずすべての授業に参加すると90分×28回=42時間。レポートが2回あるとして、3時間×2回=6時間。期末レポートは6時間という事にしておきます。仮定を置くのが難しいので異論も多いかと思いますがとりあえず法学部以外では42+6+6=54時間ということにしておきます。


 次に本題の法学部の1つの授業における勉強時間を考えていきたいと思います。私の感覚では授業に一度も行っていなくても3日勉強すると単位は大体とれます。もちろん単位取得率の低く難しい授業であったら時間が足りませんし、たまたまあまり理解できていない箇所が出題され落単してしまうかもしれません。しかし前項で書いた通り別に落単はそれほど気にしなくて大丈夫です。

3日勉強するという真似すると勉強量に個人差がつきまくるであろう表現をしてしまいました。ここでのテスト期間中の1日の勉強時間は7時間ほどを想定しています。実家とは違い洗濯も掃除も自炊もしなければならないので、受験勉強期間と比べて勉強時間が少ないのは仕方ないです。(そういうことにしておきましょう)よって法学部で4単位を取得するのに必要な勉強時間は21時間となります。

 
 以上より他学部と法学部の勉強時間が分かりその差は54-21=33時間。割合で言うと、21÷54でおおよそ40%となり、法学部の勉強時間は他学部の4割で済むという結論になりました!

 
 ただ注意点として他学部で授業に出る場合100%の集中が無くても出席点が与えられるのに対し、法学部では勉強する時間はしっかり集中する必要があります。自分は興味のないことは考えるのが大嫌いなんだというタイプの人は法学部にくると苦労する可能性があります。


卒論がない

 法学部には卒論がない場合が多く、京大でもそれは同じです。今まで見てきたように授業を比べるだけでも法学部の方が楽だと言えるものでした。しかし法学部には順調に単位を取得していた場合、4回生になった時にさらなるご褒美が待っているのです。

それが卒論がないことによる半年間、もしくは1年間の自由期間です。他の学部ではどれほど授業をまじめにこなしても4年間拘束されますが、法学部には卒論がないため長い休みを得て、あなたがしようと思っていたことに何でも挑戦することが出来ます。お金がかかることであっても授業の心配をすることなくバイトを入れて貯めることができますので比喩表現でなく本当に何でもできるかと思います。


結論

 法学部には出席点がなくテスト一発勝負なのでしんどい、というのが一般的によく耳にする意見ですが私は逆だと考えています。テスト一発勝負であるからこそ、勉強時間を短期間に集中させ自由な時間を多く作ることができます。私の事例にのみ基づいているためどの程度参考にするかは皆さんにお任せしますが、入学前に考えているほど厳しい環境にはならないかと思います。受験勉強頑張ってください!
 
 












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