納戸理人

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最近の記事

小説:柴犬の足

我我が家の柴犬の後ろ脚は2本とも切られてしまった。 医者がいうには、両足とも腫瘍がたまりにたまっていて、切るよりほかに仕方ないとのことだ。 父も母もかなりショックを受けていて、我が家はちょっとしたパニック状態だったが、しかし切られた方は案外平気そうな顔をしている。病院から戻ってきた時も、母に抱きかかえられながら、キョトンとした目でとぼけた顔を作っていた。もちろん両足はキレイさっぱりなかった。 足がなくなっても、彼を散歩に連れて行かなければならない。そして彼が四本足だった

    • 雑文:「まじっく快斗」を読んで思った、架空の職業と学生の相性の良さについて

      現実を舞台にした作品において、主人公が学生の場合に多いのが、架空の職業(?)との兼業です。 ざっと例を挙げてみると、 『学生×怪盗』⇒「まじっく快斗」・「神風怪盗ジャンヌ」 『学生×魔女』⇒「カードキャプターさくら」・「おジャ魔女どれみ」・         「魔法少女まどか☆マギカ」 『学生×能力者集団』⇒「結界師」・「BLEACH」 ほかにも様々な作品が、このケースに該当するはずです。 作品の入り口としての「学生」 「学生×架空の職業」という設定の汎用性の高さ

      • 「我龍、点睛を描く」企画書

        キャッチコピー: これは、刺青を愛する少年と刺青を隠す少女の物語。 あらすじ: 舞台は古代中国。 戦乱の渦はとどまることをしらない。 戦場では「刺青」とよばれる摩訶不思議な技術が普及。 禽獣草木・魑魅魍魎の刺青を身体に刻んだ者たちが、 その絵と同様の化物に変身し戦っていた。 主人公は、刺青の修繕を生業とした職能集団「彫師」の見習い少年 我龍である。 喧嘩っ早く生意気だが刺青に愛着を持ち、 筆を入れた刺青に生気を宿す「気韻生動」という特殊な能力を持っていた。 しかし

        • 「鏡人 AOI」企画書

          キャッチコピー: 鏡をのぞくとき、鏡もまたこちらをのぞいている。 これは、鏡写しの二人の物語。 あらすじ: 芸能界を引退し、ファッションインフルエンサーとして活躍する月島葵ことAOI ある日、ビジネスパートナーの高校生笠松昌三から依頼を受けたAOIは、 ムツキという謎の女性と出会う。 交流を続けるうちに親しくなるAOIとムツキ。 しかしAOIをつけ狙う謎の勢力の魔の手が、静かに近づいていた。 3人の運命が交差する時、 AOIの常人ならざる秘密が明らかになる。 第

        小説:柴犬の足

          「鉄道公安官 墨田綾野」企画書

          キャッチコピー: 彼女は少年に出会った。それは怪異との出会いでもあった。 コロナ後の東京を舞台とした鉄道怪異譚始まる。 あらすじ: 202X年東京。 新型コロナウイルスの流行が収束し、人々はかつての日常を取り戻しつつあった。 満員電車の息苦しさに辟易していた主人公深見いくみ(24)は、怪しげな少年墨田綾野(14)と遭遇する。 彼は、人が密集する場所に発生してしまう「群集怪異」を倒すために国から雇われた、国交省鉄道局神祇課所属の「鉄道公安官」だった。 いくみと綾野は

          「鉄道公安官 墨田綾野」企画書