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公認スポーツ栄養士の専門講習会前にやっておけばよかったこと

記事をご覧いただきありがとうございます。
今回は私が公認スポーツ栄養士の専門講習会(日本スポーツ栄養学会による講習会)を受講する前にやっておけばよかったことについて書きます。

スポーツ協会主催の共通科目(ATやスポーツ指導者などと共に受講)が終わるといよいよ専門講習会がスタートします。共通科目ではスポーツ指導者としての態度や考え方などを学び、専門講習会ではスポーツ栄養士としての知識の習得やケーススタディなどが中心となります。専門講習会は前期・中期・後期に分かれており、朝から晩まで講習会があります。また、それと並行してインターンシップを行う必要があります。インターンシップは実際に現場で栄養サポートを行い、適切にサポートができるか、が評価されるものです。

スケジュール的な内容はこのようになっていますが、私が実際に体験して、専門講習会前に「やっておけばよかったこと」、「やっておいてよかったこと」をテーマにします。


➀インターンシップについて

今回はインターンシップ先は決まっている前提で話を進めます。

・指導者との打ち合わせ

以前からサポートをしていて、インターンシップも同じチームで行う場合は必要ありませんが、初めての場合は綿密に打ち合わせをしておく必要があります。まだスポーツ現場での栄養士の活動内容はあまり知られていません。選手に栄養の講習をするだけとかサプリメントの斡旋があるとか、現実はそんな感じみたいです。なので、実際にサポートを行う場合、どのような流れでサポートを行うのかざっくりでいいので説明しておくとよいと思います。

例えば、栄養サポートはスクリーニングをして、対象者を絞ってから、適切な項目でアセスメントを行い、計画を立て、実施し、個人目標達成を目的としています、といった感じです。そのためチーム全員が対象ではないこと、個別の選手とやり取りを行うことなどを説明しておくことが必要となります。

・チーム目標の共有

これはチームの目標なので、県大会出場とか全国大会ベスト4とかになります。これを知ったからサポートの内容が大きく変わることはありませんが、栄養士としてチームに関わる以上、そのチームや選手が何を目標として取り組んでいるのか把握しておく必要はあると思います。

・指導者が栄養士に求めること

先ほども書いたように、指導者によっては栄養士がどのようにチームに関わっていくのかピンときていない方も多いと思います。なので、チームにどういう風に関わってほしいかを聞いておくことも必要だと思います。例えば、選手が話した内容は全て指導者と共有してほしいとか、なるべく練習に参加してほしい、積極的に選手に声をかけて話しやすい存在になってほしい、などです。ある程度指導者の方が栄養士に求めていることを把握しておくと、サポートの際に行動しやすくなると思います。
反対に、これらを把握しないまま、勝手に練習に参加したり、選手と必要以上に仲を深めてしまうと、信頼されなくなってしまう恐れもあるので、気をつけましょう。

・サポート選手以外との関わり

サポートをしていたチームで継続してインターンを行う場合は大丈夫だと思いますが、新規のチームでインターンシップを行う場合、サポート対象になった選手以外との関わりは少なくなってしまいます。サポートされていない選手からすると、「なんであの選手だけ栄養指導されているの?」って感じることもあるかと思います。そのためインターン終了後に全体で栄養の講習会をするとか、プリントの配布だけでもいいのでやるといいかと思います。
ここも指導者の方と相談しておきましょう。

・費用の問題

ここは皆さん悩まれる点かと思います。私の場合は未熟な自分に栄養サポートの機会を与えてくれた恩もあり、無償でサポートを行っていました。しかし、インターンとなるとサポート計画の立案や実際のサポートにかなり時間を要し、移動にもお金がかかります。そのため言い出しにくいとは思いますが、費用の話はしておくべきだと思います。あくまでもインターンシップなので絶対条件ではないと思いますが、管理栄養士という国家資格を持った人が栄養管理を行うので費用を請求しても何らおかしなことではありません。

費用はインターンにかかった時間や練習場への交通費などを概算して請求したり、選手1人当たり○万で○ヶ月サポートしたから、○円でお願いします、という感じでいいと思います。実際に検定試験の中でも費用対効果のスライドを入れないといけないので、早いうちから検討しておくといいと思います。


②前期講習会前にしておいたほうが良いこと

検定試験のためのインターンシップですが、前期の専門講習会が終了した後でないと開始してはいけないことになっています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。


事前に計画をしておく

前期の専門講習会は11月にあります。サポートの目的によっても異なりますが、11~3月くらいはオフシーズンになっている競技も多く、この時期にサポートを行っておきたいケースが多いような気がします。特に増量だと、オフ期でトレーニング量が増えるので、適していると思います。
しかし、11月の専門講習会が終わってから、インターン先を探して、打ち合わせをして、諸々の準備をしていると、とても間に合いません。また、ここでオフシーズンを逃していますと、次の年の12月には検定試験用のデータを提出しないといけないので、ストレートで検定試験を受ける方にとって機会がなくなってしまいます。そのためオフシーズン(特に増量)にサポートを考えている場合は、前期の専門講習会前からできる準備は進めておきましょう。

・目的が同じサポートの過去の報告を探す

前期の専門講習会前からある程度どのようなサポートを行うのか考えておき、それに近い論文等を探しておきます。例えば大学生、のラグビー選手を対象にして増量を行うのであれば、同じ年代もしくは同じ競技を対象に増量を目的としてサポートを行った研究などを集めておくと計画が立てやすいと思います。

・必要になりそうな論文・ガイドラインの収集

先ほどと同じで、サポートの目的に応じて、栄養補給計画を適切に立てることが重要になりますが、その時の根拠として必要なエビデンスを集めておきましょう。食事摂取基準だけではなく、介入研究や各種ガイドラインを集めて目を通しておくと、栄養補給計画がスムーズに立案できると思います。

・スケジュールの把握

サポート期間はマネジメントの目的によって変わってくるので、だいたいどのくらいの期間が必要かを把握しておきましょう。そして、前期の専門講習会が終わってから、
・いつスクリーニングをするか
・アセスメント項目はどうするか
・食事調査などの日程はどうするか
・具体的にどの日からサポートを開始するか
・最終的にどの日までサポートを行って、再アセスメントはいつにするか

などをある程度日付を決めておくとよいと思います。サポートは選手のけがや練習内容の変更などが頻繁にあるのでスケジュール通りに必ずしも進むものではありませんが、ざっくりと決めておくと日程調整がしやすくなります。また、部や個人のスケジュールも併せて把握しておきたいです。

・機器、ソフトウェアの準備

アセスメントを行うにあたり、体重計(もしくは体組成計)、活動量計、キャリパー、栄養計算ソフトなどいろいろなものが必要になってきます。部で持っているものもあれば、学校単位で管理しているものもあります。それらを使用できるかどうか、また栄養士自身が持っているかどうかなども事前に把握しておきたい項目です。

データ入力のフォーマットやひな形の作成

エクセルに身長、体重、体脂肪率などを入力するだけで基礎代謝量が算出できるように計算式を入力しておきましょう。また要因加算法でエネルギー消費量を評価するためのフォーマットも作成しておくと便利です。
その他、栄養指導に使いそうな媒体なども事前に作っておくと便利だと思います。

・すぐにインターンに入れるようにする

これらの準備を事前にしておくとスムーズにインターンに入れると思います。また、早めにインターンを行うことで、もし思うようなサポートができなくても、やり直すことができます。

インターンが早めに終わると口頭試験に勉強時間を注げますし、プレゼンの資料を作る時間もたっぷりと確保できるのでおススメです。

・同期の仲間を作る

これは前期の専門講習会に限ったことではありませんが、同期の仲間を作っておくことは非常に大切かと思います。私はインターンの進め方や口頭試験のまとめ方、勉強法などで悩んでいるときに相談できる同期がほとんどいなかったのでとても苦労しました。なのでオンラインで機会は機会は限られていますが、仲間を作っておくと心強いと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
質問等ございましたら、exercise.nutrition.note@gmail.comまでお問い合わせください。



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