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遠藤周作

ガストン

遠藤周作の本に度々登場する奇妙な外国人の名前である。


「おばかさん」他、幾つかの著書に登場する。


ガストンは、何を言われても

どう嘲笑されても、常に微笑んでいる。


馬鹿だろう、コイツは足りないのだろう、と口々に言われるガストン。

遠藤氏は、ガストンの中に
イエスを描いたのだ。


同様にミツという女。愚鈍で誰からも弄ばれそれでも愛する女。

彼女もまた、遠藤氏におけるイエスの姿。

遠藤周作氏は純文学作家として評価を受けた。
「沈黙」「海と毒薬」「深い河」などなど。

別に、狐狸庵として、天衣無縫にエッセイを書いてきた。


彼は持病を持っていたしサナトリウム生活も長かったものね。
もしかしたら、彼自身、存外に長生きしたと思っているかも知れない。

夫・遠藤を語る妻のエッセイ、これも普通にエロく、オヤジ~な夫を
淡々と・・・泣けました。

私、ガストンと、おミツが好き。

絶対的に信じる。愛する。
捨てられても笑顔で信じて待つ。

何言われても「はい」って笑う。


人はさ、若い血気盛んな頃は、怨恨や憎悪、敵対心、それなりに
パワーの源になったりもするじゃない?

けど、簡単なこと。

自分が自分でありたい様に、誰も誰かで
在り続けたいのでしょう。
ちょっとした違和感、そんな事で疑う心を抱く自分が情けない。


今を生きる
背後に続く永劫の時間

何度も

これが生なのか
よし もう一度。


自分に言い聞かせても、涙は溢れるしなぁ。


沈黙の碑

【人間がこんなに哀しいのに、主よ、海があんなに蒼いのです】

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